Created
August 20, 2012 10:30
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REST と WebSocket
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# REST と WebSocket | |
t_wada さんとちょっと話す機会があったので、ここまでに考えてたことを一旦まとめて見たいと思う。 | |
REST については、「Web を支える技術」でお茶を濁さず、本家論文なども参照されたし。 | |
## REST | |
REST はプロトコルでもアーキテクチャでもなく、アーキテクチャスタイルです。 | |
そこにはいくつかの原則があり、最も重要な原則の一つにステートレス性があります。 | |
[REST#原則(wikipedia)](http://ja.wikipedia.org/wiki/REST#.E5.8E.9F.E5.89.87) | |
この原則は Cookie を用いたセッションの実現すら本質的には否定します(ただし、事実上禁止はしないけど)。 | |
このステートレス性が、分散システムである Web の成功の秘訣だったし、 | |
ステートレスだったからこそ、URL/Method/query などに必要十分な情報を持たせた。 | |
「ステートレスは一番最初に捨てられる原則ではないか?」 | |
そうかもしれない。しかし、現状そこを考えた例は少ないのでは。 | |
## WebSocket | |
生の WebSocket は大体こんな感じ。 | |
[WebSocket サーバの実装とプロトコル解説](http://d.hatena.ne.jp/Jxck/20120725/1343174392) | |
```javascript | |
// Client | |
var ws = new WebSocket("ws://example.com/"); | |
ws.onopen = function() { | |
ws.send("test"); | |
ws.onmessage = function(message) { | |
console.log(message.data); // test | |
}; | |
} | |
``` | |
WS オブジェクトを作るとき URL を渡している。 | |
これは、確かにリソースではある。しかし、コネクションを確立しにいく対象で、 | |
レスポンスとしては WS コネクションが返って来るととることも出きるかもしれないけど、 | |
そっから先のやりとりについて、この URL 表現は関与できない。 | |
# Socket.IO | |
純粋な WS は十分に低レベルな API なので、 | |
そのままではイベントを使い分けたりができない。 | |
よって、その上に独自でプロトコルを組む余地は大きい。 | |
Socket.IO はその一例(Socket.IO プロトコルを独自に定義している)。 | |
[Socket.IO API 解説](http://d.hatena.ne.jp/Jxck/20110730/1312042603) | |
```javascript | |
// Client | |
var socket = io.connect('http://example.com'); | |
socket.on('connect', function() { | |
socket.emit('msg send', 'data'); | |
socket.on('msg push', function (msg) { | |
console.log(msg); | |
}); | |
}); | |
``` | |
# REST over Socket.IO? | |
Socket.IO のように自分でプロトコルとその API を提供するライブラリを作れば、 | |
下記のようなこともできる。 | |
これが、多くの人が「WebSocket に REST を持ち込む」と考えた場合、 | |
最初に思いつくものなのではないか? | |
[flatiron/socketful](https://github.com/flatiron/socketful#core-socketio-mappings) | |
```javascript | |
socket.emit('creatures', 'create', { id: 'bob' } , function(err, bob) { | |
console.log('created: ', bob); | |
}; | |
``` | |
しかし、WebSocket で確立したコネクション上では、 | |
基本的に message のやりとりしか行っていない。 | |
(HTTP でいう Body 相当) | |
Body に工夫をするのは WebSocket 上の独自サブプロトコルでしかない | |
# WebSocket の本質 | |
WebSocket の本質は | |
``` | |
server push | |
``` | |
接続こそクライアントからだが、その後はサーバから Push 可能。 | |
そして、サーバもクライアントから Push を受け取っている状態とも考えられる。 | |
(HTTPとは違うコンテキストで) | |
だから「双方向(bi-directional)」。 | |
# WebSocket は REST の夢をみるか? | |
レイヤが違う | |
# WebSocket は REST を夢にみるか? | |
Web は 論文の共有なんかをモチベーションに始まった。 | |
ドキュメントは Pull するものだった。 | |
それを根底として、色々積み上げてきた | |
HTTP のアーキテクチャにおいて、 REST は親和性が高かった。 | |
でも、Push が可能になった時点で、 | |
「アーキテクチャは延長ではなく変化」を迎えた。 | |
REST を無理やり当てはめるより、積極的に別の方法を模索したっていいんじゃない? | |
# 「Web が壊れる」のか? | |
wget で取得できない Web は壊れてる的なあれについて。 | |
気持ちはわかるけど、そこで壊れてるのは、 | |
「Web」ではなく「ドキュメント」だと思う。 | |
リソース表現としてのドキュメントが、 | |
URI, Method で取得できないと、 | |
それを壊れてると言いたいのはわかる。 | |
たぶん。「Web がドキュメントだけじゃなくなった」 | |
と考えれば自然なんじゃないかと思う。 | |
つまり、いままで HTTP の「レスポンスボディ」の中で | |
「ドキュメント」形式で表現されていた「リソース」だけじゃなくて、 | |
もっと別の形の「何か」を Web は扱えるようになったと | |
考えるのはどうだろう。 | |
というか、 WS はそもそも HTTP ではできなかったことを、 | |
出来るようにしてしまったんだから、 | |
そこから得られる結果が、今までと全く変わってしまうのは、 | |
当然だと思う。 | |
# リソースからストリームへ | |
その、「何か」を自分は「ストリーム」と | |
捉えたら面白そうだと思ってる。 | |
自分の模索過程 | |
http://d.hatena.ne.jp/Jxck/20111223/1324659260 | |
https://gist.github.com/Jxck/stream.io | |
- WebSocket によって扱えるデータはストリームという単位で抽象化可能と考える | |
- ストリームは実装レベルでは Node.js の Stream という API を基準に考えているけど、たぶん汎用化可能。 | |
- ストリームは基本的に2種類 | |
- Readable Stream | |
- Writable Stream | |
また、これを接続するために pipe という API を考える。 | |
## Readable Stream(RStrm) | |
読み取り可能で、接続していればどんどんデータがやってくるストリーム。 | |
データの発生がイベントとして pipe してるストリームに通知される。 | |
水道の蛇口みたいなイメーじ。 | |
ex) tail -f, twitter stream, stdin etc | |
## Writable Stream(WStrm) | |
データをどんどん書き込むことができるストリーム。 | |
バケツのようなイメージ | |
ex) DB, File, stdout etc | |
## pipe | |
WStrm と RStrem を繋ぐもの。 | |
UNIX の pipe(|) と同じイメージ。 | |
```javascript | |
WStrm.pipe(RStrm); | |
``` | |
## 例 | |
``` | |
蛇口から水を組みたい人は、自分のバケツにパイプを繋ぐ。 | |
``` | |
### tail -f を画面に垂れ流す管理アプリ | |
tail -f を RStrm として抽象化。 | |
DOM(つまり画面) を WStrm として抽象化。 | |
2つを pipe で繋ぐ。 | |
tail -f されたデータがサーバからどんどん push されていく。 | |
```javascript | |
// server | |
tailf.pipe(client); | |
```` | |
```javascript | |
// client | |
tailf.pipe(client); | |
```` | |
### twitter streaming | |
twitter は twitter stream を WebSocket を用いた ReadableStream として公開する。 | |
twitter stream を読みたい人はなんらかの WritableStream を用意して pipe しにいく。 | |
pipe しにいくのはだれでも良い。 | |
たとえば Google の bot も、そのデータを pull しにいくのではなく | |
push してもらいにいくために ReadableStream としてリアルタイムなデータを収集できるのでは。 | |
## Chat | |
クライアント(RStrm) -> サーバ(WStrm/RStrm) -> クライアント(WStrm) | |
よくある双方向チャット。 | |
## アーキテクチャはある。が、そこにアーキテクチャスタイルはあるか。 | |
t_wada さんが指摘する、時間を超えて合意を形成できる設計指針であるところの | |
「アーキテクチャスタイル」は WebSocket などを用いて実装するリアルタイムな Web | |
には、今のところ存在しない。 | |
まずは best practice/bad know how などを始めに自然発生的に少しづつ出てくるだろうという | |
t_wada さんの考えには同意。 | |
ざっとこんな感じ。正直まだ固まってない。 |
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