※注意※
本稿は、パーソナリティ障害の本 を読んだまとめ、というか抜き出したものになってます。タイトルには障害という言葉が含まれていませんが、これは、障害という言葉が帯びている毒をできるだけ無くそうとしたから。精神医学の多くの専門用語は時代を追うごとに、元々の記述的な意味から、不本意位に毒を帯びるようになっていくことが界隈では懸念されていますが、残念なことながら、それもまた人の常なのだろうなと。
というか、こういうの書くのは恥ずかしいというか、自己防衛したくなるね。
まあ、対人関係とか自分自身に関する悩み、課題をパーソナリティ障害という点で解きほぐしていこうという話です。
僕のような普通の人がパーソナリティ障害を知ることの目的。考えうる課題。
- 自身のパーソナリティの傾向を知り、克服したい
- パーソナリティ障害を知ることで、他者との関わりに対する精神安定性を高めたい
- 他者に対し治療的な目線を持ちたい、強化したい
- 自他を理解するための、一つの目線を手に入れたい
- チームワークをする上で適切な振る舞いかたを身につけたい
- 人格を良くしたい
- 身近な人を治療したい
- もっと自分を出せるようになりたい
- もっと人と仲良くなりたい
- パフォーマンスを上げたい
- 自信を持ちたい
- 耳が痛くなりたい
- etc...
- 生きづらさ、悩み、不安を抱えている人が多い。
- 孤独や空虚に悩む、対人関係に傷つく、仲良くなりたいのに仲良くなれない
- このような生きづらさの背後には、実は、パーソナリティ障害という問題がある
- 社会問題もあるけど、そいういう不可解な現象は、パーソナリティ障害について知ることで、理解できるようになる
- 程度の差はあれ、現代人は、パーソナリティの問題を抱えている
- パーソナリティ障害とは、「偏った考え方や行動パターンのため、家庭生活や社会生活に支障をきたした状態」
- 物事の受け止め方や行動の仕方は個人差がある。
- 人はそれぞれ傾向があり、良い悪いではない。
- が、傾向にも度が過ぎると、ちょっと困る場合が出てくる
パーソナリティ障害にはいくつかのタイプがあるが、共通する2つの特徴がある
- 自分に強いこだわりを持っている(他者からそう見えないが、実は、というケースも含めている)
- とても傷つきやすい
- 対等で信頼し合った人間関係を築くことの障害
自己愛というと、自尊心とか、自己肯定感と似てるよね。違いはいいや。
- パーソナリティ障害は自己愛の障害
- 自己愛とは「自分を大切にできる能力」。人間が生きていく上で、もっとも基本的な能力。これがあるから、ちょっとやそっとのことじゃ死なない。
- 多様なパーソナリティ障害のタイプは、傷つきやすい自己愛のさまざまな防衛の形態として、理解することもできる。
良い文章あったので、引用!まあ、全部、引用だけど
離陸した早々に、片羽根が傷ついたからといって、人間は飛ぶのをやめる訳にはいかない。傷ついた片羽根を抱えながら、飛び続けるのに必死の努力と対処の結果生み出されたものが、少し変わった飛び方であり、パーソナリティ障害の人の認知と行動のスタイルなのだ。何不自由なく飛んでいる者から見れば、それは、少し奇異で、大げさで、危なっかしく、不安定に思えるだろう。ひどく傍迷惑なものとして受け止められる場合もある。だが、少々変わった、度の過ぎた振る舞いには、その人が抱えている生きづらさが反映されているのであり、傷ついた片羽根で、必死に飛び続けてきた結果なのである。
こういした誤った生存戦略は、まだ幼かった頃、満たされなかった欲求を、紛らわすために不適切にも身につけてしまったものである。パーソナリティ障害の人は、たいていどこか子供っぽい印象を与えることが多い。それは、、、、
児童相談所で働く方から、こんな話を聞いたことがある。虐待を受けている乳幼児は、まだ物心をついてないのに、職員に愛想笑いをするというのだ。、、、その状況の悲惨さとは裏腹に、こちらの心をくすぐる何かを放っている。
- 遺伝よりは環境要因のが大きい
- 環境要因が大きいので、家庭環境、社会の文化、構造とかが与える影響は計り知れない
- パーソナリティ障害の観点から言えば、日本社会は、どんどん自己本位にないいてるといえるだろう。パーソナリティ障害が、根底に自己愛の病理を抱えているとすれば、そのことも頷けるだろう。
- パーソナリティ障害を持つ者は、その根本的な安心感の不足や、満たされない承認欲求を補うために、独特の偏った行動様式を発達させる。それは、彼らの生存を賭けた戦いの中で磨かれたものであるだけに、非常に魅力的な側面と、それゆえ危険な側面を併せ持っている。
- 病的レベルではないにしろ、傾向としては当てはまるなという場合も、自分自身の特性を知っておくことは重要だ。
- それは、自分が陥りやすいワナや破綻しやすい状況を予測する手がかりとなり、それを予め知ることによって、取り返しのつかない失敗や発病をを予防することができる。
特徴
- 両極端の間をめまぐるしく変動する。気分と対人関係において、顕著に見られる。
- 昨日は最高にハッピーだったのに、今日は世界の終わりのようなどん底の気分、というのが終始起こる。
- 白か黒か、all or none。という思考スタイル。
- 深い自己否定感を抱いている
- ハラハラ、ドキドキ感が落ち込みや空虚感から救う
接し方
- 変わらないことが何よりの支え
- 良いときも悪いときも一定の態度で接する
- を数年続ける
- 冷静であることが大事
克服のポイント
- 両極端の間の選択肢を考える
- 人と細く長くつながる
- 自分で自分を支える(という決意も含める)
特徴
- 自分は特別な存在だと思っており、それにふさわしい成功を夢見ている。
- 避難されると、耳を貸さずに怒り出す。なかなか自分の非を受け入れようとしない。
- 人に教えられるのが苦手。
- 第一印象は非常に魅力的で、好感を持たれることが多い。が、付き合いが深まるにつれ、身勝手な部分が露呈する。
- 心のそこでは他人の気持ちに無関心で、乏しい共感性しか持たない。
接し方
- 気分を害さないように忠告するのは至難の業。欠点を述べるときは絶好覚悟。(プロの精神科医でさえこう言う)
- うまく接するのは大変。
- 賞賛する側に徹すると良い(らしい)
克服のポイント
- 謙虚に他人の言葉や教えを聞く
- 耳の痛いことを言ってくれる人を大切にする
- チームプレーする
- 他者のために生きる
特徴
- 他人を魅了しなければ、自分が無価値になるという思い込み
- 自分の前に居る者を魅了し、脅かし、注意を引きつける
- どこか作り物めいた、わざとらしいところがあるのが普通
- 相手を騙すというより、相手の引き起こす反応に酔いしれる
接し方
- その人の期待する反応を示してあげる路面
- 違和感に気づいても指摘しない
- その人を遠ざける路面
克服のポイント
- 何も怒らない平凡な時間を、大切にするように心がける
- 身近なものを大切にする
- 自分自身と対話する
特徴
- 信じて傷つきたいので、はじめから信じない
- 社会的な規範や通年を軽視したり、敵視する
接し方
- ニュートラルに接する
克服のポイント
- 心の鍛錬に重きを置くようにする
- 美を愛でる心や、弱者をいたわる心に変えていく
特徴
- 人を心から信じることができない
- 裏切りを恐れる
- 親しい人を監視したいという衝動
- 優しさや愛情を示すものに対しても、最初はとても警戒的で、心を開くのに臆病であるが、一旦開くと、相手の存在は特別なものになる
- 階級や位というものに関心を持つ。人間の関係を心のつながりで理解するより、上下関係や力の関係で理解しようとする。
- 過度な秘密主義。ごく当たり前の質問でも、自分のプライバシーや出自に関することには、非常に過敏に反応し、避ける
接し方
- 親しくなりすぎないこと
- 正面衝突は回避
克服のポイント
- 相手の気持ちに耳を傾け、それを尊重する勇気を持つこと
特徴
- 頭の中で生きている
- 何も考えていないようで、頭の中の思考は驚くほど活発
- ひと目を気にせず、マイペース
- 服装やファッションに関心がない
接し方
- a
克服のポイント
- a
特徴
- 一人でいることが好き。親しい人間関係を望まない。
- しずかで淡々とした生活を好む
- 生活は質素
- 外見とかにはこだわらないが、趣味は意外と洗練されている
- 欲が乏しく、喜怒哀楽や感情も淡白で希薄
- 感情が無いように見えて、実は繊細
接し方
- a
克服のポイント
- a
特徴
- 失敗や傷つくことを極度に恐れている
- 自信がない
- 「どうせ、だめだ」、「どうせ、嫌われる」と思い込んでいて、行動する前にやめてしまう
- 無理、無駄、どうせ、やっぱりが合言葉
- 嫌な思いするぐらいなら、何もしないほうがましと思っている
- 本心では人との触れ合いを求めているが、傷つくのを恐れていて回避的な行動をしてしまう
- 自分が傷ついてしまう不安が大きく、相手に注意が届かない
接し方
- 本人の主体性、気持ちを尊重する
- 否定しない
克服のポイント
- 失敗を恐れない
特徴
- 自分で決めることが苦手
- 自分の主体性を放棄し、他者に委ねてしまっている
- 主題的に生きていくことが求められると不安になる
- 些細な決定も、人に頼ってしまう
- 一人が苦手
- No といえない
接し方
- 失敗してもいいから、自分で判断するように仕向ける
- 答えを言わないようにする
- 本人の気持ちを聞くこと
- 言葉にだして 気持ちをいうような習慣を身に着けさせる
克服のポイント
- 自分の気持を口に出す習慣をつける
- 他者を気遣う
特徴
- 責任と義務を大切にする
- 自分勝手とかわがままではない
- 自分を抑え、厳しすぎる
- 善と悪、正しい、悪いが白黒はっきりしている
- 完璧主義
- 他の人の勝ちや流儀の良い点を認めるのが苦手
接し方
- 本人のスタイルに逆らうのをやめる
- 相手に合わせる
克服のポイント
- 視点を変える
- 責任を一人で背負わない
- 他人に同じことを期待しない
ここ、いいところで、僕はとても納得感があるところ。こういう考え方する人、多くない気がするなあ。多分。
かつて、学ぶとは、人としての道を修めることであり、すなわち人格を陶冶することに他ならなかった。人々は、知識よりも、心のあり方や、身の処し方を、情報としてではなく、血肉として身につけるべく努力したのである。学んだ者が尊敬されたのも、知識だけでなく、人格的にも鍛錬を積んだ者とみなされたからである。
パーソナリティ障害を克服した人は、とても魅力的なパーソナリティとして円熟する。年々、周囲の評価も高まり、信頼や愛情に恵まれるだろう。それに反して、パーソナリティ障害を引きずったまま年取った人は、周囲から煙りたがられ、見せかけだけの関係で結びついた人ばかりに取り巻かれることになる。本当に信頼できる人は離れていき、次第に孤独になっていく。
中年になっても、子供のように自分勝手に振る舞い、自分を省みることもない、情けない大人にならないように、自分のパーソナリティと生き方を磨き続けてほしい。
性格が丸くなったという言い方があるが、年を重ねることをは、極端な偏りを修正してくれ、適応力を高める。ただし、逆もの場合もある。若い頃はそうでもなかったのに、年とともに、性格がいやらしく、ネジ曲がってくることもあるし、傲慢になったり、横暴になったりすることもある。結局、その人の生きてきた人生が、表れるのである。
あんまり、詳細に書いてないし、なんかそこらへんに転がっている心理系のウェブサイトと似た感じになってるのがちょい微妙。
とはいえ、こういう精神障害という観点からパーソナリティについて考えてみるというのは興味深いし、勉強になるんじゃないかなと。
自分に関して、勇気を持って言ってしまうと、回避性パーソナリティの傾向は結構強めかなあ。石橋を叩いて渡るとかじゃなくて、石橋を、石橋じゃないところから叩いて、そもそも渡らないみたいな、保険に保険の保険を重ねて、何もしないみたいなところあるんで。後、妄想性パーソナリティもあるかもしれない。
とはいえ、この本読む前から、自身の自己防衛的な心の動きに敏感になるように意識してはいるから、割と、回避的じゃなくなってきた気がしないでもない。
精神医学に関する本を読んでいて、個人的に思うのは、これらの本を読むのは精神的に結構疲れるというところ。心を理解しよう、できるだけ心に毒が生まれないようにしよう、とかの絶え間ない意識をしつつ、読みすすめるのだけど、そのような意識をするがゆえに、心を取り扱う内容を読むと、自身の情緒が溢れ出そうになります。それこそ、共感したり、自責の念に駆られたり、恥ずかしさとかを感じたり、他者をパーソナリティ障害の点で捉え過ぎそうになったりするので。
でも、割と楽に読めるが、 パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか
。疲れるけど、もっと詳しい、より教科書的な本だと パーソナリティ障害の診断と治療
です。