/etc/config/dropbear
は、Dropbear SSHサーバーの設定を管理するファイルです。Dropbearは、リソースの少ない環境で利用されることが多い軽量なSSHサーバーであり、OpenWrtなどの組み込みシステムやルータでよく使用されます。/etc/config/dropbear
ファイルを通じて、SSHサーバーの動作やセキュリティ設定をカスタマイズできます。
以下は、典型的な/etc/config/dropbear
ファイルの例です。
config dropbear
option PasswordAuth 'on'
option RootPasswordAuth 'on'
option Port '22'
# option BannerFile '/etc/banner'
このファイルは、設定項目(option
)とその値によって構成されており、SSHサーバーの動作に関する詳細な設定が記述されています。
-
option PasswordAuth 'on'
:- この設定は、パスワード認証の有効/無効を指定します。
'on'
に設定されている場合、パスワードを使ってSSHログインが可能になります。セキュリティを強化するため、公開鍵認証のみを使用したい場合は、'off'
に設定することを推奨します。 - 例: パスワード認証を無効にする場合
uci set dropbear.@dropbear[0].PasswordAuth='off' uci commit dropbear
- この設定は、パスワード認証の有効/無効を指定します。
-
option RootPasswordAuth 'on'
:- ルートユーザーでのパスワード認証を許可する設定です。
'on'
に設定されていると、ルートユーザーがパスワードを使ってSSHでログインできますが、セキュリティ上のリスクが高いため、ルートログインは公開鍵認証に限定することが一般的です。これを無効にするには、'off'
に設定します。 - 例: ルートユーザーのパスワード認証を無効化する場合
uci set dropbear.@dropbear[0].RootPasswordAuth='off' uci commit dropbear
- ルートユーザーでのパスワード認証を許可する設定です。
-
option Port '22'
:- SSHサーバーがリッスンするポート番号を指定します。デフォルトは
22
ですが、セキュリティ向上のために、他の非標準ポートに変更することが推奨されることがあります。 - 例: SSHポートを
2222
に変更する場合uci set dropbear.@dropbear[0].Port='2222' uci commit dropbear
- SSHサーバーがリッスンするポート番号を指定します。デフォルトは
-
option BannerFile '/etc/banner'
:- SSHログイン時に表示されるバナーファイルを指定します。このオプションが有効になると、ログイン時に指定したテキストが表示されます。セキュリティ警告や法的通知を表示する際に使用されます。デフォルトではコメントアウトされていますが、バナーを設定したい場合はコメントを解除します。
- 例:
/etc/banner
ファイルを有効にする場合uci set dropbear.@dropbear[0].BannerFile='/etc/banner' uci commit dropbear
/etc/config/dropbear
の設定内容は、手動で編集することもできますが、推奨される方法は**uci
コマンド**を使用して管理することです。uci
を使えば、設定の取得、変更、保存を簡単に行うことができます。以下はよく使われるコマンドの例です。
/etc/config/dropbear
ファイルの内容を確認するには、次のコマンドを実行します。
uci show dropbear
たとえば、パスワード認証を無効化するには、次のコマンドを実行します。
uci set dropbear.@dropbear[0].PasswordAuth='off'
uci commit dropbear
変更を保存した後、Dropbearサービスを再起動して変更を適用します。
/etc/init.d/dropbear restart
変更内容を元に戻したい場合は、次のコマンドを使って設定をリセットします。
uci revert dropbear
セキュリティを強化するため、パスワード認証を無効にして、公開鍵認証のみに設定する場合の手順は以下の通りです。
-
パスワード認証を無効化します。
uci set dropbear.@dropbear[0].PasswordAuth='off'
-
ルートユーザーのパスワード認証も無効化します。
uci set dropbear.@dropbear[0].RootPasswordAuth='off'
-
設定を保存し、Dropbearを再起動します。
uci commit dropbear /etc/init.d/dropbear restart
これにより、ルートユーザーを含めてパスワード認証が無効化され、公開鍵認証のみが有効な状態になります。
/etc/config/dropbear
は、GL-AXT1800のようなOpenWrtベースのルータにおいて、SSHアクセスを制御する重要な設定ファイルです。このファイルを通じて、パスワード認証の有効/無効やルートユーザーのアクセス制限、使用ポートの変更など、SSHに関連するセキュリティ設定を柔軟に調整できます。
uci
コマンドを活用することで、これらの設定を簡単に管理できるため、セキュリティ強化やアクセス管理が効率的に行えます。