「全裸ネクタイのバイアス」とも。
漫画・アニメ・小説などの創作物において、極めて目立つツッコミ所が既にあるにもかかわらず、細々としたマイナーな指摘が先行する現象を指す。
作中で現実世界と比べておかしい点を指摘する際に用いられる表現。 また、指摘の内容が、作品が想定しているリアリティライン(現実レベルの度合い)を考慮していない状況でよく使われる。
指摘内容が特定の人がよく知る領域や、専門知識が必要な場合に発生しやすい。 知識をひけらかしたいといった欲求や、身近に感じているために期待するリアリティラインが作品の想定より高くなってしまう、内情をよく知るために自身の経験が想起されて創作として捉えられなくなってしまう、といった動機が存在すると考えられる。
「あなたは物理をよくご存知なので、宇宙空間で煙があがる表現に目くじらを立てたがりますけど、そもそも重力下であんなに巨大な金属の塊のモビルスーツが当然のように二足歩行している状況には一切口を挟まないのね。それは───であってよ。」
中国の春秋時代、呉王夫差 (ふさ) は父の仇である越王 (えつおう) 勾践 (こうせん) を討つべく、復讐心をかきたてるために全裸になり、そこにネクタイのみを身に着けて過ごした。 ある日、夫差はネクタイの結び方を間違えていたために、部下から指摘が入った。にもかかわらず、全裸であることへの指摘は全くなかったことに由来。 なお、夫差は仇討ちの際にもそのまま鎧を身に着けていなかったため、勾践に返り討ちに逢い滅ぼされた[民明書房より]。
- 2022/06/26: 本記事について言及したツイートから多くのフィードバックをいただいたのでそれを反映。また同様の現象を観測したツイートより、少し表現をお借りして編集しました。また、バイアスというより効果なので、「全裸ネクタイ効果」に名前を変更。
- 2022/06/21: 初版