こんばんは。HBMです。 以下はただの読書感想文です。
「読書感想文なんて読みたくねえ! 早く本が読みたいんじゃ!」という方はこちらをどうぞ。
なお、この記事はテトリス アドベントカレンダーの20日目の記事です。
すみませんが、以下で本の内容を少しだけネタバレします。 一度本を読んだ人には物足りないと思います。
テトリスの成り立ちから、ライセンスにまつわる、さまざまな人物(アレクセイ・パジトノフやヘンク・ロジャース、ハンガリーのロバート・スタインなど)の行動や思惑が、複雑に絡み合った結果や、テトリスが爆発的に人気になった経緯などが、いろいろな角度から記述されています。 また、当時の情勢を知らない人でも理解できるよう、細かな説明と背景が言述されています。
日本でのヘンク・ロジャースの活動(ザ・ブラックオニキスの製作)についても、多くのページが割かれていて、少し失礼かもしれませんが、著者がアメリカの人だとは思えないクオリティでした。 膨大な調査をされていることが垣間見えました。 実際、アレクセイ・パジトノフやヘンク・ロジャース、荒川實、本人たちにインタビューをしたことが謝辞で綴られています。
また、ライセンス関連の記述が多く、現在まで至る複雑なサブライセンスの経緯や、ライセンスの方式などにも触れられています。 この本を読めば、「なぜこのゲームはダウンロード版しか存在しないんだ」、「なぜこのゲームはパッケージ版しか存在しないんだ」、といった疑問が、一気に解決されるかもしれません。
- 日本語としておかしくない文章で、翻訳特有の訳文っぽさがない(当たり前だけど、できていない本も多い…)。
- 全体像を見渡すような文章と、細部まで表現された情景が、想像を掻き立てる。
- ストーリーが順序立てられており、読みやすさがある。
- 章立てが細かく、ちょっとした時間に読むことも可能。
- 本編とは関連性の低いボーナスレベルが合間に挿入されていて、通して読む場合でも気分転換できる(アドカレ書くために通して読みました…)。
- 豆知識もいくつか書かれていて、テトリスの「明日使えるムダ知識」も身につく。
- 表紙がダサい。もうちょっとなんとかして…
- 数年本を読んでいなかったことも関係していると思うけど、やっぱり描写が長いわ…
- 登場人物が多く、関係図がなければ、各人の関係の理解が難しい。 → 有志の方が登場人物の関係図を作成されていました。 世界を惑わせたゲーム『テトリス』の人物相関図を描いてみた&感想
友達にゲームや漫画を又貸しされて、行方不明になったことと同じようなことが、テトリスのライセンスをめぐって、世界を股にかけて大々的に行われていたことは、とても衝撃的でしたね。
あと、「テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム 」は以下から購入できます。
どうでもいいんですが、「それは『ポン』から始まった」や、他の書籍も数ヶ月以上家に眠っているんですが、早く読み始めたいです。
明日(今日)は、私HBMが、「さまざまなテトリス」を公開予定です(すみません、諸事情で順番を入れ替えました)。