注意 - 本記事の内容は古いです。karma をテストランナーに採用した、「Jasmine による TypeScript/JavaScript 単体テストを実行する環境を作る - karma 編」の採用をご検討ください。
- node.js をインストールしておく (Windows ならここからインストーラをダウンロード)
> npm istall -g grunt-cli
で、システムグローバルにgrunt-cli
をインストール
- 作業フォルダ(プロジェクトフォルダ)に移動
> npm init
で作業場所を準備、package.json
を生成> npm install grunt --save-dev
で./node_modules
以下にgrunt
をインストール> npm install grunt-contrib-jasmine --save-dev
で./node_modules
以下にgrunt-contrib-jasmine
をインストール./Gruntfile.js
を書き上げるGruntfile.js
内で指定したとおりのパス及びファイル名に合致するように、Jasmine フレームワークに基づく単体テストコードを TypeScript 又は JavaSccript で記述。TypeScript で記述した場合は JavaScript へのコンパイルを済ませる。
以上で環境構築完了。
> grunt test
を実行すると、Gruntfile.js
内の記述に従って、.js ファイルをロードしてテストが実行されるようになる。
なお、プロジェクト構成としては、jasmine.js のインストールは不要。
ただし TypeScript でテストコードを書く場合は、TypeScript コンパイルのために、型定義ファイル jasmine.d.ts
はインストールしておく必要がある。
npm install grunt
によって、プロジェクトフォルダ上で grunt
コマンドが実行できるようになる。
grunt
コマンドは、./Gruntfile.js
を読み込み、そこに記述されている "タスク" を実行する。
npm install grunt-contrib-jasmine
によって、grunt のタスクとして Jasmine による単体テスト実行を行う "jasmine" タスクが使えるようになる。
また、grunt-contrib-jasmine
のインストールによって、./node_modules
フォルダ以下に、jasmine フレームワーク本体である jasmine.js
はもちろんのこと、"ヘッドレスブラウザ" である "PhantomJS" もインストールされる。
grunt の jasmine タスクが実行されると、以下のような動作になる。
- jasmine タスクは、Gruntfile.js 内の指定に従って、jasmine.js を含むテスト実行に必要な .js ファイルを
<script>
タグで読み込むよう記述したテストランナー HTML ファイルを、プロジェクトフォルダに自動生成する。 - こうして生成したテストランナー HTML を、PhantomJS に読み込ませることでテスト実行を行う
Gruntfile.js
内に記述できる、grunt-contrib-jasmine
による Jasmine
タスクに対するオプション指定について詳しくは、下記ドキュメントを参照。
https://github.com/gruntjs/grunt-contrib-jasmine#options
./node_modules
フォルダはソース管理から除外する(ソース管理に Git を使用しているのであれば .gitignore
ファイルに node_modules/
の1行を書き加えることになるだろう)。
package.json
はソース管理に登録しておく。
こうしてコミットされたソースコードを、空の作業フォルダ状態から新たにソース取得して開発を開始する場合は、いちどはじめに npm install
をコマンドプロンプトから実行すること。
そうすることで、npm
コマンドは package.json
を読み取って、必要な Node パッケージをダウンロードしてきて ./node_modules
フォルダを復元する。
- Visual Studio を起動して、メニューから [Tools]-[External Tools...] を選び、[External Tools] ダイアログを開く。
- [Add] をクリックして新たな外部ツール登録を始める。
- 以下のとおり記入して [OK] をクリックして登録完了。このとき、外部ツールの一覧上、何番目の登録になったかを覚えておく。
入力項目 | 入力内容 |
---|---|
Title | run jasmine |
Command | cmd.exe |
Arguments | /c grunt test |
Initial Directory | $(SolutionDir) |
- 次に Visual Studio のメニューから [Tools]-[Options...] を選び、[Options] ダイアログを開く。
- [Options] ダイアログで [Environment]-[Keyboard] カテゴリを開く。
- [Show command contains:] に "Tools.ExternalCommand" と入力してコマンド一覧を絞り込み。
- そして、先に外部ツール登録した "run jasmine" コマンドの順番に該当する "Tools.ExternalCommand~" を選択 (例: "run jasmine" コマンドを、外部ツール一覧上3番目に登録したのであれば、"Tools.ExternalCommand3" を選択 )
- 続けて [Press shortcut keys:] の欄にフォーカスを移動。そしてキーボードから、
Ctrl
+R
,Ctrl
+J
と2ストロークを打鍵。”Ctrl+R, Ctrl+J" と表示されていることを確認して [OK] をクリック。
以上の Visual Studio の設定を済ませておくと、以後、Ctrl + R, Ctrl +J の 2ストロークのキーボードショートカットを打鍵するだけで、コマンドプロンプトが別途開いて、grun test
コマンドが実行されるようになる。
つまり、テスト対象やテストコードを編集して Ctrl + S で保存(※)したら、続けて Ctrl + R, Ctrl + J を打鍵するだけで即座にテストを実行することができるようになる。
※ Visual Studio の既定の構成であれば、.ts の保存時に .js へのコンパイルも同時実行される
※上記の記載では「Crl+R, Ctrl+J」のコンビネーションによるキーボードショートカットを設定するよう記載しているが、このキー割り当ては各自の好みのキーを割り当てることで差支えない。ちなみに「Ctrl+R, Ctrl+J」の割り当ての由来は、「Run Jasmine」を想起させることから。
先に説明した [External Tools...] ダイアログを再度開き、"run jusmine" コマンドの設定にて、[Use Output window] のチェックを On にして [OK] で登録更新しておくと、"run jusmine" コマンド実行時に、別のコマンドプロンプトウィンドウが開くのではなく、Visua Studio の出力ウィンドウにテスト実行結果の標準出力が表示されるようになる。
しかし、実際にやってみると以下の2点の不具合がある。
- コンソール表示時の色指定の制御コードが表示されてしまう (Visual Studio 出力ウィンドウではカラー表示はできない)。
- テストの成功/失敗のインジケータ文字や、日本語の出力 (スペック名なども含む) が文字化けてしまう。
この二点は以下の手順で解消する。
grunt
コマンドには --no-color
スイッチが用意されている。このスイッチを指定すれば色指定の制御コードが標準出力に出力されなくなる。
Visual Studio の [External Tools] ダイアログの設定上、以下のように設定変更すればよい。
入力項目 | 入力内容 |
---|---|
Arguments | /c grunt test --no-color |
文字化けの原因は、grunt
によるテスト実行の標準出力が、UTF-8 でエンコードされていることによるものである (Visual Studio では、出力ウィンドウへのリダイレクトは、ASCII か UTF-16LE のいずれかのみが想定されている)。
そこで、iconv
コマンドをパイプで使い、grunt
コマンドの標準出力の内容を UTF-8 から UTF-16LE に変換してから、Visual Studio で受け取るようにする。
iconv
コマンドは、このような文字コード変換に利用できるコマンド。
Windows OS 環境における iconv
コマンドは OS 標準では搭載されておらず、別途インターネット上などから入手する必要がある。
幸い、git がインストールされていれば同時にインストールされているはず。
これを前提に、Visual Studio の [External Tools] ダイアログの設定上、以下のように設定変更すればよい。
入力項目 | 入力内容 |
---|---|
Arguments | /c grunt test --no-color | iconv -f utf-8 -t utf-16le |
さらに [Treat output as Unicode] のチェックを On にしておくこと。
※上記の設定例は
iconv
コマンドに PATH が通っている場合の例。もし PATH が通っていない、すなわち任意のカレントディレクトリでiconv
を実行できないのであれば、iconv
コマンドへのフルパス (例:"C:\Program Files\Git\usr\bin\iconv.exe"
) で記述してもよい。
以上で「Ctrl+R, Ctrl+J」を打鍵してテストが実行されると、文字化けすることなく、Visual Studio の出力ウィンドウにテスト結果が表示される。
最初に注意: 汚いハックなので、お勧めするわけではない。
以上の環境構築で、Visual Stuio 上でも快適に jasmine ベースの単体テストを実践できるようになるが、表示上、少々気になるところがある。
それはテストの成功を示すインジケータ文字であるチェックマークが、Visual Studio の出力ウィンドウ上、√記号のように見え、見にくいこと。
このテスト成否を示すインジケータ文字を変更するには、以下の手順で grunt-contrib-jasmine を直接書き換えてしまうという荒業がある。
.\node_modules\grunt-contrib-jasmine\tasks\jasmine.js
をエディタで開く。- バージョンにも依ると思うが、50行目あたりに、Windows OS であればの条件判断の中、
symbols = { ... }
のオブジェクト定義がある。ここの、check
,error
が、テストの成功/失敗時に表示するインジケータ文字列なので、これを "S" と "F" などの ASCII 文字列に書き換えてしまう。
幸い、この魔改造は、ソース管理を経由して他のメンバーに伝播することはないため、この改造に起因する何か問題が起きても、被害はこの魔改造を施した本人にのみ発生する...はず。
- 先述のような汚いハックをせずとも、
Gruntfile.js
内に記載するgrunt-contrib-jasmine
に対するオプション指定にて、成功/失敗のインジケータ文字を上書き変更できるように、grunt-contrib-jasmine
を fork & commit & pull request する summary
オプションをtrue
に設定しておいた際、テスト失敗時にスタックトレースとして .js ファイルのファイル名と行番号が表示される。これを Visual Studio の出力ウィンドウ上でのダブルクリックで該当箇所へのジャンプができる書式で出力するオプションを設けるよう、grunt-contrib-jasmine
を fork & commit & pull request する- 上記の 2 の件をさらに拡張し、ソースマップがあるならば、.js のファイル名と行番号ではなく、そのコンパイル元となった .ts ファイルの名前と行番号を表示できるよう、
grunt-contrib-jasmine
を fork & commit & pull request する