テトリス Advent Calendar 2017 4日目の記事になります。
こんにちは。newjade と申します。普段はパフェ用のツールを作りつつ、理論値を調べているパフェ屋さんです。だいたい twitter に出没しています。
昨日に引き続き パフェについて書きます。今日は実践に近いところを書いていきます。
まずは理論値的な話から、そのあと実際の地形をまとめます。昨日同様、ワールドルールが前提になっています。
本文やっぱり長めです。
A. できない
4ラインパフェのパターンは理論的に800万パターン以上あることはわかっています。
その一方で、7種1巡上でパフェできないツモ順(ホールド込みで11ミノ)が存在することもわかっています。
http://harddrop.com/forums/index.php?showtopic=7792&hl=perfect
Perfect Clears
99.937% of sequences are PC'able with the normal guideline rules.
とはいえ、できない確率は非常に小さいので、ツモ順さえわかればほとんどパフェできると思っていただいて構いません。
ひとつ注意があり、(通常のゲームのように)次に落ちてくるミノがネクストによって制限されているときの確率はまだわかっていません。 個人的な予想では、うまい人は自然に10連パフェをできるので、理論的なパフェ成功確率はそれなりに高いとは思っています。
参考)
Nilgiriさん: ぷよぷよテトリス ウルトラで26回パーフェクトクリア
A. できないケースがある
パフェの場合、ツモ順によっては対称の形にできたりできなかったりします。そのため、地形の反転によってパフェ成功確率が少し変わることがあります。
その理由は、Iミノの回転入れが左右で異なる場合があるためです。
回転入れをする場合は、Iミノの扱いには注意が必要です。
http://harddrop.com/forums/index.php?showtopic=7792
Perfect Clears
No symmetric solution
↓はいる
↓はいらない
ここから先は、個人的な経験・印象で書いています。
パフェの取り方は人それぞれなので、参考程度にぜひ色々と試してみてください!
(そしてできる方はぜひ教えてほしいです!)
基本的に 土台づくり→詰め を繰り返すことになります。
ここでは、パフェ1回分の流れに沿って、簡単に説明していきます。ネクストの数はゲームタイトルによって異なりますが、ここでは 5 とします。
パフェに必要なミノを全てみることができないので、ある程度次の予測しつつ、無難な地形を選択することになります。
3日目 で書きましたが、パフェ2回目・7回目は比較的ツモが読みやすいです。
この時点でパフェに必要な10ミノがすべて見えることになります(落下中のミノ1 + ネクスト5 + ホールド1)。
つまりこの時点で、パフェが見えるか見えないかの世界になっていきます。
とはいえ、残り7ミノで理論的にパフェ可能だとしても、人間が即見切るのはまず不可能です。そのため、もう少し見えるところまでミノを置くことになると思います。
このあたりでLJTの数がはっきりするため、パリティに注意する必要があります。
個人的には、この時点で「どんな地形が組めて」、そのとき「何のミノが残るか」を考えています(おかげで置くのがかなり遅いですが)。
自分は四角になりがちですが、うまい人はここの形が柔軟だなあと感じることが多いです。 パフェしやすいミノを残しつつ、使いにくいミノをうまく地形に組み込んでいる感じがします。
よくやりそうなミス(自分がよくやっていた)として、開幕での定番の地形に持っていっても前提が変わっているケースがあります。
- Iホールドパフェテンプレの地形に持っていったが、Iをホールドできていない&ネクストにもない
- Tホールドなしで4x4の四角を残す(グレースシステム)
- テンプレの地形に持っていったが、残りのミノに同じミノが2つある
開幕のパフェの成功確率が載っているページもありますが、あくまでパフェ1回目の話なので、2回目以降だと変わるケースもあります。
もちろんそのまま適用できることも多いので、地形以外の残りミノを意識するのが重要です。
このあたりは調査できていないですが、うまく置けばここまで成功確率80%程度維持できるかなと個人的に考えています(正しいかはわからないです)。
ここまできたらあとは詰めるしかないです。気合いです。経験と事前の研究次第な気がします。
次のセクションで(勝手によくみると思っている)地形をいくつか紹介します。
うまい人だと、複数の手順がみえるとき、次のパフェに残すミノを考えて詰めるらしいです。
ここでは、パフェのときによくみる地形の一例と、そのパフェ成功確率を載せます。個人的に、このあたりの地形を目指すと無難なのかなあと思っているものを載せています。ちなみにひとつの地形に対する組み方は、結構たくさんあります。
パフェの成功確率の調査には 拙作の solution-finder v0.502 を使用しています。ここではパフェの取り方は載せません。一応、solution-finder でも調べることができるので、興味がある方はぜひ試してみてください。
また、GUIでポチポチ調べられる Perfect Clear Finder もおすすめです(出力されるパフェパターンに一部制限がありますが、パフェできる・できないを調べるには楽です)。
見方)
* -> 61.19 % ← 全体のパフェ成功確率
∟ T -> 85.83 % ← Tが先頭(or ホールド)のときのパフェ成功確率
∟ I -> 73.33 % 成功確率が高い順に並び替えています
∟ J -> 67.50 %
∟ Z -> 58.33 %
∟ S -> 52.50 %
∟ O -> 47.50 %
∟ L -> 43.33 %
開幕でおなじみの地形です。パフェ1回目で無条件に7ミノ置いたとき、一番良い地形です。
対戦だと速度重視で使いやすい形ですが、連パフェ8回目に選択するには心もとない確率です。
Tが先頭の場合の成功確率は高めなので、この地形に持ち込む場合は、最低限そのことを確認してから組んだ方が良さげです。もちろん最後まで手順を見切れているのがベストですが。
# すべてが違うミノのとき ex) TISZ, IOSZ, LJIO, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gi0whDeR4Rpg0whCeR4wwRpglwhBeBtxwilwhCeBt?wwJeAgH -p *p4
* -> 61.19 % # 開幕パフェテンプレでの成功確率はここ
∟ T -> 85.83 % ★
∟ I -> 73.33 %
∟ J -> 67.50 %
∟ Z -> 58.33 %
∟ S -> 52.50 %
∟ O -> 47.50 %
∟ L -> 43.33 %
# ホールドミノのみ、重複可能性ありのとき ex) LISZ, IISZ, OSOI, TLJT, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gi0whDeR4Rpg0whCeR4wwRpglwhBeBtxwilwhCeBt?wwJeAgH -p *,*p3
* -> 52.24 %
∟ T -> 72.38 %
∟ J -> 65.71 %
∟ I -> 62.38 %
∟ S -> 43.33 %
∟ O -> 42.86 %
∟ Z -> 40.00 %
∟ L -> 39.05 %
開幕でおなじみの地形です。パフェ1回目で無条件にI以外の6ミノ置いたとき、一番良い地形です。
Iホールドで組むことができれば、高い成功確率を維持できます。
反対にZOがホールドだとイマイチなので、手順を見切れていない限りは組まない方が良いです。
# すべてが違うミノのとき ex) TISZO, IOSZL, LJIOZ, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gi0EeR4Rpg0DeR4wwRpglCeBtxwilDeBtwwJeAgH -p *p5
* -> 66.35 %
∟ I -> 84.17 % ★
∟ T -> 78.33 %
∟ S -> 74.44 %
∟ L -> 64.72 %
∟ J -> 56.67 %
∟ Z -> 56.11 %
∟ O -> 50.00 %
# ホールドミノのみ、重複可能性ありのとき ex) LISZO, IISZO, OSOIZ, TLJTS, ZOITZ, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gi0EeR4Rpg0DeR4wwRpglCeBtxwilDeBtwwJeAgH -p *,*p4
* -> 64.78 %
∟ I -> 84.64 % ★ # 開幕パフェテンプレでの成功確率はここ
∟ T -> 84.52 % ★ # Tが2個あると確率が高い
∟ L -> 70.12 %
∟ S -> 67.26 %
∟ J -> 66.19 %
∟ O -> 45.00 %
∟ Z -> 35.71 %
開幕でおなじみの地形です。パフェ1回目で無条件にT以外の6ミノ置いたとき、一番良い地形です。
色々な組み方があるので、個人的に割と目指してしまう地形です。
成功確率をみると、TLJが先頭かそうではないかで大きく変わります。
LJホールドの場合は、ネクストにもう1個LJがあると安定しそうです。
# すべてが違うミノのとき ex) TISZO, IOSZL, LJIOZ, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gili0DeglAtRpQ4g0DeBtRpR4DeAtzhQ4NeAgH -p *p5
* -> 70.48 %
∟ T -> 83.33 % ★
∟ L -> 81.39 % ★
∟ J -> 81.39 % ★
∟ I -> 68.89 %
∟ S -> 61.11 %
∟ Z -> 61.11 %
∟ O -> 56.11 %
# ホールドミノのみ、重複可能性ありのとき ex) LISZO, IISZO, OSOIZ, TLJTS, ZOITZ, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gili0DeglAtRpQ4g0DeBtRpR4DeAtzhQ4NeAgH -p *,*p4
* -> 64.83 %
∟ L -> 89.05 % ★
∟ J -> 89.05 % ★
∟ T -> 88.57 % ★ # 開幕グレースシステムでの成功確率はここ
∟ I -> 53.33 %
∟ O -> 46.90 %
∟ S -> 43.45 %
∟ Z -> 43.45 %
個人的にいつも組んでる地形です。多くの人がよく使ってるイメージがあります。
成功確率をみるとLJI開始は高め。パリティ的にもTは2個あるとなお良いです(1個でもそれなりに確率は高い)。
SZOホールド・SZOI2個だと、成功確率が下がりめになるので、なるべく地形側に吸収したいところです。
この地形でさらに Oを重ねて2個 or I縦を2個 置くのは、実質的に4x3の四角作りになるので、手順がわかりやすい分、見切れていない限り置かない方が無難そうです。
# すべてが違うミノのとき ex) TISZO, IOSZL, LJIOZ, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gQ4BthlEeR4BtglEeg0Q4BtglEei0BtOeAgH -p *p6
* -> 89.52 %
∟ L -> 93.19 % ★
∟ J -> 93.19 % ★
∟ I -> 93.06 % ★
∟ T -> 90.83 %
∟ S -> 86.25 %
∟ Z -> 86.25 %
∟ O -> 83.89 %
# ホールドミノのみ、重複可能性ありのとき ex) LISZO, IISZO, OSOIZ, TLJTS, ZOITZ, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gQ4BthlEeR4BtglEeg0Q4BtglEei0BtOeAgH -p *,*p5
* -> 81.12 %
∟ T -> 95.87 % ★ # Tが2個あると確率が高い
∟ L -> 94.17 % ★
∟ J -> 94.17 % ★
∟ I -> 77.78 %
∟ O -> 70.87 %
∟ S -> 67.50 %
∟ Z -> 67.50 %
Zを隙間に差し込めばテンプレ、Tを入れれば四角に派生する地形です。
残りの空間は狭いですが、比較的パフェ成功確率は高めです。
T先頭で入れたら、パフェは安定しそうです。
Iがある場合、横にして2段目におけば、パリティ的にTが必要なくなるので使いやすそうです。
それ以外のミノは、見切れていないと少し厳しそうです。
# すべてが違うミノのとき ex) TISZO, IOSZL, LJIOZ, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gzhR4DeglRpR4EeglRpwwBtDehlywBtMeAgWGAa9K?WCpOBAA -p *p5
* -> 76.51 %
∟ T -> 98.33 % ★
∟ I -> 85.00 % ★
∟ Z -> 78.61 %
∟ J -> 69.17 %
∟ O -> 69.17 %
∟ L -> 67.78 %
∟ S -> 67.50 %
# ホールドミノのみ、重複可能性ありのとき ex) LISZO, IISZO, OSOIZ, TLJTS, ZOITZ, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gzhR4DeglRpR4EeglRpwwBtDehlywBtMeAgWGAa9K?WCpOBAA -p *,*p4
* -> 70.37 %
∟ T -> 92.62 % ★
∟ I -> 82.38 %
∟ Z -> 70.12 %
∟ L -> 68.81 %
∟ J -> 66.79 %
∟ O -> 58.33 %
∟ S -> 53.57 %
Zを隙間に差し込めばテンプレ、Tを入れれば四角に派生する地形です。
5ミノ分空いていることもありますが、全体的に成功確率は高めです。
Tミノ開始で、ネクストが全て違うミノなら100%です。
Iがある場合、3段目の隙間に差し込んでライン消去できるように右側を埋めると、比較的綺麗な地形が残りやすいです(Iを左回転でZの上まで落とす→左回転で隙間に入る)。
# すべてが違うミノのとき ex) TISZOJ, IOSZLT, LJIOZS, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gh0ywEeg0RpwwFeg0RpBtEezhBtNeAgWFAan3LC0A?AAA -p *p6
* -> 90.95 %
∟ T -> 100.00 % ★
∟ I -> 95.28 % ★
∟ Z -> 91.25 % ★
∟ O -> 89.86 %
∟ S -> 88.06 %
∟ L -> 87.08 %
∟ J -> 85.14 %
# ホールドミノのみ、重複可能性ありのとき ex) LISZOJ, IISZOT, OSOIZJ, TLJTSI, ZOITZS, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gh0ywEeg0RpwwFeg0RpBtEezhBtNeAgWFAan3LC0A?AAA -p *,*p5
* -> 87.15 %
∟ T -> 97.70 % ★
∟ I -> 91.79 % ★
∟ L -> 90.44 %
∟ J -> 89.56 %
∟ Z -> 84.13 %
∟ O -> 82.34 %
∟ S -> 74.09 %
他ほどではないが、たまにみる地形。右下の隙間にZTILを入れられるので色々と派生しやすいです。
成功確率は全体的にそれほど高くないので、とりあえずで作るのは避けたい地形です。
ミノ順の関係で、他の地形が直接組みにくいときに組めるケースが多いように感じるので、ネクストをよくみながら組めるようになりたいところです。
# すべてが違うミノのとき ex) TISZOJ, IOSZLT, LJIOZS, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gh0AtDej0BtEeQ4h0AtglEeR4ilFeQ4JeAgH -p *p6
* -> 76.03 %
∟ I -> 84.86 %
∟ T -> 83.61 %
∟ Z -> 82.50 %
∟ L -> 80.97 %
∟ O -> 71.67 %
∟ J -> 62.08 %
∟ S -> 66.53 %
# ホールドミノのみ、重複可能性ありのとき ex) LISZOJ, IISZOT, OSOIZJ, TLJTSI, ZOITZS, ...
java -jar sfinder.jar percent -fc 1 -td 1 -t v115@9gh0AtDej0BtEeQ4h0AtglEeR4ilFeQ4JeAgH -p *,*p5
* -> 72.04 %
∟ T -> 92.30 %
∟ L -> 88.57 %
∟ I -> 84.29 %
∟ J -> 71.03 %
∟ Z -> 69.29 %
∟ O -> 54.01 %
∟ S -> 44.76 %
パフェをまとめていて思ったのは、
- TIはなるべくホールドに
- LJはなるべく四角の端に
- SZはなるべく地形の中に
を意識したら良いのかなと個人的に思いました。正しいかはわからないですが。。。
以上です。さすがに書きすぎた感がありますが、2日間ありがとうございました。
パフェ人口が増えたらいいなあ。
テトリス Advent Calendar 2017 も引き続きよろしくです。