- 日時: 2018-11-14 19:15-20:45
- 講師:
- 野島 梨恵氏 (東京山王法律事務所)
- 場所: Co-Edo
- 資料
- ハッシュタグ #coedo
- イベントURL: https://coedo-dev.doorkeeper.jp/events/81966
- 2年ぶりの開催
- 会場の半数くらいはこれまでに参加した人
- 野島ファンが多いw
- 久しぶりに野島先生のお声がけした
- イベントを開催してない間に著書が出版された
- 東大法卒
- 4年ほど東京の弁護士事務所に
- 4年間ほど北海道の弁護士事務所
- 北海道は離婚の多いところ
- 自分も離婚が好き
- その後また東京の弁護士事務所
- 法曹界の一大イベント
- 基本的な法的知識からおさらいする
- 民法上この名称は定められているわけではない
- 「民法 目次」でググる
- 民法の用語には「業務委託契約」は無い
- 請負は「物が完成する」ことが最大の特徴
- 明治時代に制定されたときの想定
- 家を建てる、橋をかける、ものを作る
- システム開発はおそらく請負に相当するだろうと当初は判断された
- 最近システム開発の判例が積み重なってきて、分析されるようになってきた
- 請負は物の受け渡しが大前提
- 瑕疵とはものに欠陥がある、本来の機能を持っていない状態
- ここが民法改正で大きく変わる
- 結果は求めていない
- まじめにやってね
- 信頼関係が基礎となっている
- 法律的なことを任せるのが「委任」
- 法律的以外なことは「準委任」
- 内容は同じ
- 善良なる管理者の注意義務
- 一般的にまじめにやってね
- 水準はケースによって違う
- 委任はもともと無償が前提
- ローマ時代の高貴な作業から来ている
- ちゃんと報酬を明記しましょう
- 口約束kでも契約は契約
- 日本では。
- そうでない国もある
- なぜ契約書をつくるのか
- いざ揉め事になったときにどういう約束したかは契約書に拠るしかない
- 証拠でしか判断されない
- 意図に反した書面が残っていても逆効果
- 録音でも良い?
- 日本の裁判所はなにより書面を重要視する
- 録音はないよりまし
- 録音だけに頼ってはいけない
- 意図どおりに録音されていないケースが多い
- つまり契約書は絶対に作れ
- 誰がその契約をしているのか
- 個人事業主なのか会社なのか
- 契約書の名義が代表権のない取締役だった
- このケースは大いに揉めて和解
- 当初の1割くらいしか支払われなかった
- 納期が変わったら、変わったという覚書を作っておく
- 打合せのために議事録を取って両者の捺印をする
- 判子が押されてないケースは場合によっては考慮されないかも
- 損害賠償の額を制限
- 発注者側で、自分が不利になる場合は弁護士に相談した方が良いかも
- 契約書を読まないのは論外
- きっちり読んで不服な場合は修正を申し入れる
- 新562条: 売買における追完請求権
- なぜ売買がでてくる?
- 民法の一番最初に出てくるのが債権
- 債権=契約のこと
- 請負でも売買の考え方を準用している
- 「瑕疵」という単語が無くなった
- これからは「契約不適合責任」
- 契約の目的がなんだったのかちゃんと踏まえて判断しよう
- 瑕疵担保ではなく、不具合があったらまず直させろ
- 新563条: 買主の代金減額請求権
- 契約不適合の際に代金の減額請求を認める
- これは新しい
- 請求権の期間
- これまでは基本一年
- 瑕疵があることを知ってから1年
- 期間が長くなった
- システム開発の場合はバグが有るとすぐには判明しないことがある
- 発注者側につらいのではないかという意図
- でも引き渡しから5年以内
- 10年後に瑕疵に気づいてもだめ
- 使えないシステムができちゃった
- 発注側は不適合にしたい
- 受注側は仕様通り作ったと主張する
- 難しい
- 受注者はプロ
- 発注者側は何が欲しいものだったのか自分でも理解していない
- そんなには変わらない
- 現648条
- 特約がなければ無償
- 履行した後でなければ報酬を請求できない
- 新648条の2
- 「の2」は後から付け加わったという意味
- なんとなく請負ちっくなことができるようになった
- 契約書に違うことが書かれていたら、民法によりも契約書が優先
- 契約書に自由に設計できる
- 契約書は双方が何を達成したいのかという設計図
- 120年前に列強からの圧力によっていやいやながらに、ものすごく急いで作ったもの
- フランスに留学生を送り、フランスの民法をほぼコピーした
- ドイツぽい部分もある
- ただし「親族」部分は戦後に大きく変わった
- これから判例が積み重なっていく
- 現在のは急ごしらえのもの
- 自分たちの使い勝手の良さは、実はあまり考えてなかった
- さすがにそろそろ変えよう
- 野島さんが学生の頃から少しずつ言われていた
- 賃貸、雇用も大きく関わってくるでしょう
- 新民法の条文は多分ネットでも見れる
- 販売もされている
- 「瑕疵」という概念が大きく合わなかったのではないか
- これまで判例を見ても、ただバグがあるというだけではだめ
- バグのないソフトウェアはありえない
- 目的が果たされるかどうかが重要
- 新民法もこれまで積み重ねた判例を踏まえた上で作られている
- 検収が終わったからと言って安心してはいけない
- 裁判になったときに、どういう証拠を残してきたかが大事
- 担当者が交代したときは要注意
- そこで信頼関係を築けるか
- 引き継ぎがきちんと行われているか
- 時効が統一され、時効の中断の概念がしっかり入ってくる。
- Q: 大会社は鉄壁の京尺を雛形を持っているが、それがどう変わる?
- A: 「瑕疵」という単語はなくなるのではないか。あと期間の部分
- Q: 新648条の2「委任により得られる成果の引き渡し」とはどういうものを想定しているのか?
- A: 調査とか分析などの報告書とか。
- Q: 準委任でも成果に関する文言が入ってくるときに、請負契約かどうかの判断は変わるのか?
- A: 判断基準は変わるかもしれない
- Q: 準委任契約のときに収入印紙が必要ないらしい。契約の文面で判断できなくなりそう。
- A: 契約に準委任か請負なのかは明確に書いておいたほうが良い
- Q: 製品とプロトタイプで、プロトタイプに品質がさほど求められない場合に、品質は善管注意義務にどのくらい関わってくるのか。
- A: 安全を考えるのだったら、契約に品質について記載しておくのが良い
- Q: 定型約款について
- A: 定型約款とは不特定多数に向けて取引を行う場合に結ぶもの。新民法でも変わってくる。