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日時: 2015-02-23 19:15-21:00
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講師:
- 野島 梨恵氏 (東京山王法律事務所)
- 直田 庸介氏
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場所: Co-Edo
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資料
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アンケート
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ハッシュタグ #coedo
- 直田さんとは、以前に同じ弁護士事務所で働いていた
- 弁護士はたいてい早口
- 個人事業主は信用がないという話はよく聞く
- それ本当?
- 昔は株式会社を作るには最低資本金が必要だった
- 最低1,000万円
- 取締役最低3名
- 当時は株式会社という信頼感は確かにあった
- 平成16,17年頃、政府のベンチャー応援の流れ
- 最低資本金を撤廃する試み (時限立法)
- 平成18年に会社法が大きく変わった
- 根本から資本金の制限がなくなった
- 「株式会社だから大丈夫」という実態はもうない
- なんとなくやりやすい
- なんとなく格好がつく
- 一円資本のデメリット
- 最低資本金が少ないと銀行が金を貸してくれない
- 複数人で会社をやるときは法人格を持ったほうが良い
- 複数人では口座も作れないしいろいろやっかい
- 法人を作ることは、自分とは違うまったく違う権利義務の主体を作ること
- 不動産を購入しても法人の名義にできる
- 本来は株主と取締役とは別軸の概念
- 株主は出資をした人間
- 取締役は会社の運用を行う人間
- 会社が取締役に業務の執行を「委任」するという関係 *当然取締役は善管注意義務を負う
- 例えば代表取締役が破産した時に、それだけでは法人の資産に請求することはできない
- 法人が破産したときも、代表取締役の資産には請求できない
- ただし連帯保証をつけるのが普通
- モラルハザードの危険性は常にある
- 弁護士に駆け込むときはたいていうまく行っていないとき
- なので「こうやったら上手くいく」という例はあまり知らない
- こう失敗しないためにはという
- 株主は取締役の首を切ることができる
- 取締役は株主総会で状況の説明を丁寧に行う必要がある
- 株主から株式を取り上げるのはめちゃめちゃ大変
- 誰を株主にするかという判断は慎重に行うべき
- 本当に株主総会をしている中小企業は、実はあまりない
- でも議事録を作成し株主の印鑑をもらい、証拠として残しておくことは重要
- 35歳くらいで起業してうまくいった
- 50くらいの時に娘が入社してきた
- 娘が結婚して旦那も入社してきた
- 印鑑、経理は奥さんに任せていた
- 4人全員が株主
- 娘の旦那が自分の自由にやりたいと思い始めた
- 自分で会社を立ち上げたい
- 社長対奥さん、娘、娘の旦那という構図ができていた
- 娘の旦那が、まったく同じ業務を行う会社を設立
- 社員を全員引き抜いて、お客も全部新会社で引き継いだ
- 喧嘩になって、娘に警察を呼ばれそのまま留置所へ
- その間に3人は株主総会を開いて社長が首
- 旧会社は精算されていた
- その後奥さんからも離婚訴訟を起こされる
- 社長が実印の場所をちゃんと把握していないのが悪い
- 自分と会社が一体になっている人は、自分がうまくいかないと会社もうまく行かなくなる
- 会社がうまく行かなくなると家庭もうまく行かなくなる
- 証拠としてとても重要
- 株主名簿をちゃんと作っておいたほうが良い
- 経理の人に勝手に書き換えれて問題になった例もある
- 融資は借金
- いつかは返さなければならない
- 増資は資本金
- 返済義務は当然ないが、意見は効かなければいかない
- 取締役に競業禁止の契約を定めておくべきだった
- 知財についても明確に契約を。
- 契約書でなくても、いつまでになにをするのか明確にしておくべき
- 契約の主体が誰か
- 裁判になった時に大変重要
- 仕事をしたのになんやかんやでお金が入ってこない
- やりとりの記録はきちんと取っておくこと
- メールであっても証拠になる
- 証拠がないと事実と認定されない
- ICレコーダーでも可。相手の許可がなくても構わない
- 相手に弁護士が出てきたときは録音していると思ったほうが良い
- 相手の了承を得たほうがまあ穏当
- スマホを胸に入れてそれで録音するのが手軽で良い
- 逆の立場だと、逃げられたくないときには社長個人の保証を取って置く
- 「保証」という単語を明確に入れておくと良い
- 「責を負う」等という表現だと裁判の際に認定されないかも
- 早めにちゃんとした資格を持った弁護士、税理士に相談すること
- 怪しい業者はたくさんいるので注意
- 会社大きくなったのは嬉しい
- しかしそこに美人秘書がでてきたらおしまいだ
- そいういうとこではなく本業にちゃんと金を使え
- 現在は人工知能を使った契約書管理をやろうとしている
- 本日は利用規約の話
- 株主間契約を円満な時にきっちり作っておくと良い
- 信頼に足る法律家にレビューをしてもらう
- 実印 (印鑑登録している印)
- 代表取締役の印
- 立証責任が相手側になる
- 銀行印
- 意思があると推定される
- 角印
- LINEのやりとりが証拠になるか?
- なるけど日付が分かりにくい
- スクリーンショットを出すしかない
- ICレコーダで録音しても、データをメール添付で社内に共有しておく
- 日付が残ることを意識する
- 自社の法的位置づけを明確にしておく
- 利用者の同意のみなし条項をどこかに入れておくこと
- メルカリの場合は支払いの方法等をガイドに逃がしている
- ガイドにも同意したという構成になっている
- きっちりユーザの同意が取れるという構成になっていることが重要
- 反社のユーザ登録を拒否できる条項
- 東京の場合は暴力団排除条例で努力することが求められている
- 取締役の善管注意義務を構成し得る
- フリルでは会員が死亡した場合のことが規定されている
- 売り主が原因のトラブル
- 売り主に代金の支払いを留保できる規約
- このように定めていたとしても法的に支払いを拒否できるかは疑問
- 事実上クレームを減らすことはできる
- 「一切の責任を追わない」
- これも事実上のクレーム封殺
- 裁判に訴えられた時には一部無効になる可能性はある
- 禁止事項
- あらゆる事態を想定して禁止条項を作っておく
- フリルはもっと詳細で59項目
- バスケット条項を作るのが普通
- 「その他、弊社が不適切と考える行為」
- 主観に則った基準は無効になる可能性もある
- 売買契約はいつ完了するのか
- メルカリ: 「購入完了手続」をした時
- 厳密には不明確
- フリル: 出品者が購入申請を承諾した時
- メルカリ: 「購入完了手続」をした時
- 払い戻しの期日をどこかで明確にして、ユーザの同意を取っておく
- ポイントの取り扱い
- 資金決済法に服するかどうか
- お金でポイントを買っているわけではないので「前払式支払手段」には当たらないという判断
- サービスの中断
- 「一切の責任を負わない」は法的には一部無効になる可能性がある
- 損害賠償の上限をメルカリからユーザが受け取った累積総額としている
- 法的には有効
- 一方的にユーザの利益を害する条項は無効になる場合もある
- 分離可能性
- 条項が一部無効と判断された場合でもその他の条項は有効
- 日本ではそもそもそのように裁判所が判断するのでなくても良い
- 言語
- 「日本語を正文とする」
- 翻訳された場合にしばしば解釈が異なる
- 翻訳する場合はどれが正文なのか規定しておくべき
- 管轄裁判所
- 東京が都合が良いならこのままで良い
- 「専属的」という単語を必ず入れる
- Q: 利用規約は著作権法の対象外? コピペしても問題ない?
- A: よほど創作性が高ければ別だが、基本は問題ない
- どういう意味を持っているかを分かった上で手直しするのが大事
- Q: サイトのガイドがうっかり間違って記述していた場合は?
- A: 間違いは「錯誤」という問題。明らかに間違っていたら問題ないけど、微妙な場合は難しい。
- 原則的には書かれたとおりに契約は成立する。
- Q: 規約の改定があるが、履歴をどこかに置いておく必要はあるか?
- A: 閲覧させる義務はない。内部的には持っておくと良い
- Q: 専門家を唸らせたサービス規約は?
- A: メルカリとフリルだったらフリルのほうがちゃんとしている
- メルカリも一通り必要なものは揃っているし、問題はない
- これがオススメというのは特にない。