もう皆すっかり忘れてると思うんだけど、2009年ごろに特定の検索エンジン(具体的にはGoogleね)が、 URLの中にURLが入ってるようなのを一律検索結果から除外するといったことがあった。
既存のURLをパラメータとして受け取って、際限なくコンテンツ生成するようなものは、Googleの検索結果から除外されることになった。 (キャッシュとか変換とか翻訳とかそういうのは自主的にrobots.txtやmetaタグで検索結果から除外されるようにすべきだと思う)
ソーシャルブックマークの場合は、単に変換したり翻訳したりしているわけではなく、付加的な情報があるわけだけど そんなことをわざわざGoogleが特別扱いはしなかった。単にURLの中にURLが入ってるものは除外された。
上の記事にはなんかゴチャゴチャ書かれてるけど、まあハッキリ言ってしまうと、 エントリページのURLがGoogle検索結果に乗らなくなってしまって、収益が失われると困るので、SEOスパマーみたいなことをしたわけ。 検索結果に載らないと、検索流入経由での広告収益が減る、収益の柱が失われるし、露出の機会が減って新規登録が減る、サービスに取って死刑宣告みたいなもんだ。
はてなは、エントリページに対してクローラが来た時だけ別のURLを見せてたんだけど、それもダメになってしまったので、 思い切ってエントリページのURL変更するということをやった。http:// を抜いて、既存のURLからはリダイレクトするようにした。
「Google検索結果に載る」ことを選んだサービスは、人間向けの分かりやすい既存のURLとは別に、リダイレクトしたり、rel=canonical使ったりして、検索エンジン向けの別のURLを作るようになった。
まあこういった「Google対策」の結果、サービス毎に各々独自のルールで「http:// 」を含まないURLを使うようになってしまったものだから、URLを見ただけでは、そのURLがメタなURLなのかどうか分からなくなってしまった。entry/www.〜 なんてのはまだ分かりやすいけれど、entry/s/だったらhttpsだ、なんてのは、はてブ独自のルールだ。
まあそんなこんなで、Googleの検索結果に再度はてブのエントリページは掲載されるようになった。実質的にはやってること同じなんだけど。
何が言いたいかっていうと、htn.toのデフォルトのリダイレクト先の変更って 俺が不便だから困るとか、そういう話じゃなく、これはインターネットの生態系に関わる話なんですよってことで。
わざわざはてなを特別扱いなんかしないので、今までURLを集計していたサービスは、はてブエントリページに対する言及として認識するのだし URLに対する言及数やフィードバック集計するサービスとか、あなたのタイムラインでよく言及されているURLだとか、そういうのがぶっこわれる。
はてな自身も対応できてないってのがウケるけど。 https://twitter.com/kamipo/status/350272701224599552
「俺が不便だから」困る、みたいなのは、サービスリニューアルしたり仕様変更したりするたびに ギャーギャー出てくる良くあるやつと混同されがちだし、そんなの好みの問題だし、3日もすれば慣れてしまったりする。 そういうのとはわけが違う。URLの話だ。人間の好みの問題じゃなくて、機械相手の話だ。
人間相手に◯◯さんははてなブックマークを使っています、あなたも使ってみませんか、今なら500はてなポイントキャッシュバックとか、そういうのは好き勝手ジャンジャンやればいい。でもbot相手にそういうのやらないで欲しい。ネットが壊れる。
一度はspamと一緒くたにされて虐殺されたものが、我々はスパムじゃないですよと、価値があるんですよと、 URL変更してまでエントリページ露出の機会を維持してきた、そのはてなが、 インターネットに与える負の影響を考えられずに単に被リンクを増やす施策を取ってしまうなら、 それはそこら辺のspamサービスと変わらなくなってしまうよってことだ。
って夢に出てきた犬に言われた。