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@nbqx
Last active December 18, 2015 03:35
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2015年の個人的なベスト

Music

まずは順不同でことし印象に残った5作をピックアップ

おそらく挙げるかたも多いだろう 「Kendrick Lamar - To Pimp a Butterfly」「Neon Indian - Vega Intl. Night School」「Tame Impala - Currents」「dCprG - フランツ・カフカのサウスアメリカ」は上記に挙げていないけれどよく聞いてた

Agnelle Bundervoët - アニュエル・ブンダヴォエ:バッハ名演集

ことし一番聞いていたであろう一枚

1954年録音のいわゆる発掘音源系 ふだんほとんどクラシック音楽を聞かないんだけど ふとしたキッカケでフリージャズ系のレコード屋で出会い 一発でハートを撃ちぬかれた

録音状態やテイクの良し悪しなんて気にならないほど その場の空気感がそのままパックされているようなかんじ ライヴ盤のそれではなくて サンラーの音源でよくかんじる「生々しすぎるんだけどホントこれでリリースしちゃっていいの」みたいな雰囲気

「Hiatus Kaiyote - Choose Your Weapon」

変わった構造やリズムで構成されてるから 昨今の「今ジャズ」みたいな方面で語られそうではあるけど 個人的にはプログレや70年代ロックぽい気がする それのせいかドロっとしてないから比較的聞きやすいかな

これとことし出た「The Internet - Ego Death」はなんとなく並列で紹介されていてその流れで聞いてた ただThe InternetはもっとR&BやAORに振れているかんじ 曲によってはそれこそシャーデー感もあるし あとはデラソウルとかアレステッド・ディヴェロップメントを思いだすような 80年代後半からアーリー90年代感

Hiatus Kaiyoteはというと「先輩がバイトしている近所の古着屋でかかってる感」もっといえば背伸び感やそこから通ずる「60〜70年代に憧れる90年代感」がした

「背伸び感からくる60〜70年代に憧れる90年代感」みたいなキーワードは 個人的にここ数年で再評価されるんじゃないかとおもってて「古着屋のネルシャツの臭いがする音楽」として通販のみのCDボックスセットよろしく そういった体でコンパイルされる日が近いんじゃないかなとおもってる Boonぽいデザインで 表紙は宮沢りえで

それから 「Mark Guiliana Jazz Quartet - Family First」「Kamasi Washington - The Epic」もよく聞いた

Kamasi Washingtonは Gary Bartz NTU Troopなんかを彷彿とさせて しばらく手がのびなかった陶酔的なスピリチュアルジャズの良さを再認識できた

「The Weeknd - Beauty Behind the Madness」

挙げてはいないけど これも印象的だった

00年代のおわりまで「(物理的に)マイケル・ジャクソンがどんどんマイケル・ジャクソンじゃなくなっていく」様子をリアルタイムで見ていたじぶんたちが 10年代に(概念的に)どんどんマイケル・ジャクソンになっていくThe Weekndをリアルタイムで見ている まさにこのMVが象徴することはそのことなんじゃないのと言いたくなってしまう

初期のダークなテイストも大好きだったけど いまのダークテイストもすごくいいとおもう (へんな意味で)カニエ・ウェストみたいにはなってほしくない

年末になってアップされたヴィクトリアズ・シークレットのショーでの様子はカラオケで再現された概念的なマイケル・ジャクソンとしかいいようがない

Especia - Aviator/Boogie Aroma

これもピックアップしてないけど Especiaのシングル「Aviator」がすごくよかった

イメージするものは「Aviator=パイロットまたはクルージングに連れてってくれるひと」よりはレイバンのそれ

よかったというより個人的な好みのブギー要素「音数少なめのかっこいいベースライン」「転調しまくる」「サックスのソロパート」がすべてつめこまれた初夏のプレゼントといったかんじだった

Book

ことし発刊されたものから5冊をピックアップ

まず リチャード・パワーズの「オルフェオ」がとてもよかった

話の筋はじぶんが好みそうな「音楽家がDIYな遺伝子操作でじぶんの音楽作品を菌類のDNAに組みこんでバラまく」というマッドサイエンティスト色が強いものだし 偉大な作曲家のエピソードが登場人物の過去と重なるかのように読めるところや 長い旅のあとに「自分がいまつくるべき作品」に気づく気持ちよさ そしてその気づきをさりげないながらも技巧的な手法で読ませてくれるところまで しっくりくる部分がとてもおおかった

去年末に「たぶん来年はdockerイメージで音源リリースするひと出てくる」ていってて 特定のステップを踏まなければ聞くことができない音源のリリース方法として 虚構の世界ではあるけどそれに似たようなことが実現された気がしてなんとなく満足感があった

「数学する身体 - 森田 真生」も印象的な一冊

あくまで「数学」は「何か」との媒介であって 数学がわからなくても読める むしろこの本では「何か」を意識して読み進めるとおもしろいとおもう デビュー作とのことだけれど この先がとてもたのしみ

それと岡潔への憧れが行間からあふれでてしまうところも好感がもててよかったし そのことがことし後半個人的にも岡潔を意識させるきっかけとなった

それからことしは「食べもの」について これまでよりも強く意識が向いた年だった

ことしの新刊に限っても「なにがおいしいのか」「どんなものが体によいのか」ということだけでなく例えば直接的な食糧問題を扱ったもの「食 90億人が食べていくために (サイエンス・パレット) - John Krebs」や調理方法の技術的な発展をトピック的に扱ったもの「現代フランス料理科学事典 (栄養士テキストシリーズ) - ティエリー・マルクス, ラファエル・オーモン」また社会科学的な側面を扱ったもの「被差別のグルメ (新潮新書) - 上原 善広」なんかを読んだ

余談だけど「被差別のグルメ」のなかでアイヌのひとたちのなかではエゾリスがご馳走だったという話があって 同時期に読んでた「殺人鬼ゾディアック――犯罪史上最悪の猟奇事件、その隠された真実 - ゲーリー・L・スチュワート」に森の中で銃でリスを撃って食うという場面が出てきた それで「こんな短期間のうちにリスを食うことが複数出てくるなんて暗示めいてるな」と 食べる方法を模索したこともあった

そのなかで一番おもしろかったのは「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事 - デイヴ・アスプリー」だった

あんまり間に受けずに参考程度に眺めるぐらいの位置に置くととてもいいとおもう

あと最近話題になるような炭水化物や腸内環境のはなし このムックが網羅的だし ヴィジュアルもよかった => mark 05 BACK TO NATURE 野生に還るための食とトレーニング (講談社 Mook(J))

ヴィジュアルといえば「本を読むときに何が起きているのか ことばとビジュアルの間、目と頭の間 - ピーター・メンデルサンド」も印象的だった いわゆるマクルーハンの「メディアはマッサージである」の体裁にちかいもので「読書することで感覚や知覚がどのように動くのだろうか」ということをプロ装丁家の著者が文章だけでなくヴィジュアルデザインも込みで論じるというもの 科学的な実証では全くなく かなり観念的そして感覚的だけど直感的 なのでなんとなくふわっとしたかたちで共感できるようなはなし そんな内容だから巻末にもあるように何度も手にとることでさらに深みが増してきそう

これを読んで「21世紀の読書」を考えるとき「本を読むことよりも本を読もうとすることのほうが大事」という言葉(たぶん岡潔の言葉)とリンクして (観念的ないい方をすれば)「言葉を味わう直前での心の置きかた」を整えること すなわち「ページの中でヴィジュアルデザインが持つ役割がおよぼすもの」が読書体験のほとんどを占めるんじゃないかみたいなことも考えてた

あと食についての興味から平松洋子さんのエッセイを読むこともおおかった その流れで「COYOTE No.57 ◆ 平松洋子 本の丸かじり」も読んで ここで紹介されてた「もたない男 (新潮文庫) - 中崎 タツヤ」が面白かった(「もたない男」はことしの新刊ではないんだけれどことし文庫化されたということで)

このタイミングでの文庫化はおそらく「ミニマリスト」ブームの流れとしか考えられないんだけど「障子戸が無駄に思えてきて外して窓枠に直接障子紙を糊で貼りつける」「ボールペンのインクが減ってくると減ったぶんだけボールペン本体の長さがムダだからカッターで切って短くする」とか「バイクのフェンダーが無駄に感じられるので捨てる(雨でびしょ濡れになる)」「TSUTAYAの会員証は借りるたびに作って返したら捨てる」など ミニマリストブームだからといってその流れにのったものでは全くない

けれど「ものを捨てただけで過去を捨てたなど大袈裟なことにはならない」「人生の記録は後から捏造していくものだ」のような話の流れにはしびれたし その流れのまま「著者のものごとの考えかた」的な方向へいくのだけど 説教くさいわけじゃないから誰が読んでもたのしめるはず

Misc

ことしは引越ししたから それにともなってレコード約500枚 アナログシンセおよびエフェクター数台を手放した

方向性として「本当に必要なひとの手元にあったほうがいい」というかんじで あまり売り値には期待していなかったものの それなりの金額になって「アナログシンセを売ってシマアジを食う」ということができた シンセサイザー売って高級魚を食うの来年流行らせたい

車中泊で港町に出かけて寿司食って帰ってくるのも一度しかできなかったし とびだせ! おすしを使った インディペンデントな寿司(aka インディ寿司)もことし後半は失速してしまったのでモチベーションを保てるようにしていきたい

それから技術的なトピックとしては 基幹に近い場所で動くデータ分析系のアプリケーションをNodeでつくって納めた

はじめは「JavaScriptでうごいてますよ」とか言ったら卒倒しそうなイキオイだったけど 動いているものを見てもらって満足してもらえたし 「今後JavaScriptは汎用データとして認知されていきますよ」と啖呵きってしまったので じぶんのまわりのオトナのかたがたには大変ご迷惑をかけてしまったものの そういう未来が近いこともなんとなく理解してもらえたので 結果よかったんじゃないでしょうか

あと社内でつかうようなツールをGolang化しはじめたことも大きい ツールをつかう環境を整えることがクソみたいにめんどくさいから この方法をさらに推し進めていきたい

それから去年末から遊び半分で spacemacs をつかってみてて 結局ことし一年そのままつかい続けてた

エディタについては基本的には「文字打って画面に出てくればなんでもいい」とおもっていて 多機能なものはめんどくさくてすぐ飽きるパタンが多かったものの 気がついたらずっとそのままつかってて じぶんでもビックリした

いつも仕事納め直前とかもっと遅いタイミングでまとめるんだけれど 以前「年末年始に本読みたいからもっと早くに出してよ」みたいなこともいわれたし ことしもバタバタしそうなので いつもより早めにまとめました

それではよいお年をお迎えください

nbqx xoxo

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