おれの名前はnbqxさ、フロム信州信濃のマイアミ・サウンド・マシーン。
ことし縁あってスティールパン・バンドへのお誘いがあり参加することになった。 ちなみにマイアミ・サウンド・マシーンはつかっていたとしてもスティールパンではなくおそらくティンバレスDAYONE。
「これまでやってきた経験が活かせなさそうな楽器をやってみたい」という思いが元々あって、その根気とタイミングがなかなか合わず棚上げになっていたところに、バンマスである元Wack Wack Rhythm Band(以下WWRB)のオショーさんから「やってみない?」とわざわざ声をかけてもらったので、全く触ったことのない楽器(テナーパン)を始めてから3ヶ月で初ライブ、7ヶ月後にはWWRBのレコ発で前座、8ヶ月後には辺境ミュージックファンなら誰もが知る「吉祥寺バオバブ」でのライブまで。 この半年強は仕事と読書とジョギングの合間を縫うように、まさに「RUN PAN RUN WORK BOOK RUN PAN RUN BOOK PAN」という生活。そしてすでにもう来年以降の予定さえもチラホラと。
そもそもインディ・ロックとダンス・ミュージックの境目が今よりもさらに曖昧だったREMIX誌のレコ評を食い入るように読んでいた田舎の中学生が、時を経て「当時の東京ぽさ(プレ渋谷系っていうのかな、いま勝手に言っただけですが)」を感じることができたWWRBと対バン(あくまで前座)? 残念ながら山下さんが体調不良で欠席となってしまったものの、代打のギタリストで高井さん aka Ahh! Folly Jet(カラダにバースデーケーキ塗りたくりはしないけど「ハッピーバースデー」めっちゃ好きなんすよ だけどじぶんにとってはやっぱり「DCPRGの高井さん」だし、演奏でもマジでLittle Beaver感〜と大興奮したところもあった)がいる!? とかいう状況にすごい速度で30年間分ぐらいの幅を反復横跳びしているかんじ。
いや、反復横跳びじゃないな、たぶんこれって小躍りっていうんだろう。
Ain't No Stopping Us Now。
WWRBといえばこのyoutubeでの映像、酔って見ていて自然と目が潤んでくる。
話は何度か聞いていたブラン・ニュー・ヘヴィーズのメンバーが飛び入りしたところや、生バンドでラップすることって珍しいなーてかんじでYOU THE ROCK★がWWRBをバックにがっつりフロアをロックしてるのが写っている。
鳴ってる音そのものがめっちゃいい塩梅というのは当然として、ファッションやスタイルも含めて当時の憧れがそのままパックされているような雰囲気だし、いわゆる「カセットMTRの魔法」を体験してVHSホームヴィデオの割れた音像の奥底から勝手にリズム&ブルースを見い出すことができる身体を手に入れているから、そりゃこんなん見たらおかしな感情にもなるわな。
じぶんがもしこの場にいられたとしたら、当時書かなかったにしても、30年近くたった今、半隠遁しながら田中康夫よろしくで「約30年後のなんとなく、クリスタル」的な話をこさえていてもおかしくはないってこと。
ダメダメダメ、こういうふうに書くと体験したことを通じて過去の思い出に浸ってるだけに見えるかも、けど実際スティールパンという楽器の面白さ(テナーは音の並びが穴が開くほど眺めた四度圏表・五度圏表)とか(小編成にはなるけど)バンドアンサンブルが出す鉄の塊によるアタック音の高揚感(ノイバウテンに誘われたらこういうかんじだったのかな)とか「演奏ってよりはダンスだな」という気づき(これ個人的にものすごい気づきで朝のホームの鳩をきっかけにした七類誠一郎氏の天啓もおそらくこういうかんじだったのかも)とかもあって、人生のなかで「スティールパン叩いてみない?」と言われる人間の少なさたるや、(バンマスがリアルで住職されているだけに)天啓ばりのお誘いがなければ経験できないことだったなと本当にありがたく思えたわけで。
ちなみにお声がかかるまではスティールパンといえばヴァン・ダイク・パークスとかジャコパスのアルバムとかヤン富田とかのイメージがほぼほぼで、あらためて意識してみてみるとスティールパン中心のいいバンド(≒チーム)がたくさんいるのを知った。
特に気に入ったのはこのロンドンのスティールパン・チーム「Pan Nation」で、90年代歌モノハウスをメドレーで演奏してる。そして最後の最後でみんな大好きあの曲が!
というわけでここ数年は脳と指先と眼球のダンス、でもってスパイスとしてペダル上のダンス(ヒルクライムともいう)からのほぼほぼ裸足のダンス(サンダルジョグのこと)みたいな生活に完全なる本物のダンスが組み込まれた2023年でした。
年末に向けてヴァン(ダイク・パークスではないほう)もお気に入りの店でたんまり通販して準備もできたから、来年にむけて鉄の塊を叩いて心おきなくインターロックで反復横跳びしましょうか。
最後に。taizooo さん、ことしもお声かけいただきありがとうございます。個人的な年イチでの文体練習になっていますが、これもsquattingのひとつとしてとらえていただければ幸いです。
それではみなさまよいお年を〜
nbqx xoxo
このテクストは 2023 Advent Calendar 2023 の第13日目の投稿です。昨日は nagatafa さん(期せずして叩く楽器の話でB2B!)、明日は xKxAxKx さんです。 それではみなさまよいお年を〜