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August 29, 2015 14:16
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詫び石職人の朝は早い
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「まぁ好きではじめた仕事ですから」 | |
最近は良い障害が起きないと愚痴をこぼした | |
まず、アラートの入念なチェックから始まる。 | |
「やっぱり一番うれしいのはお客さんのクレームから発覚ね、この仕事やっててよかったなと」 | |
「毎日毎日お客さんとの温度感が違う 機械では出来ない」 | |
今日はリリース日 | |
彼は詫び石をポストに詰め、管理ツールへと向かった | |
基本的な個数は決まっているが、最近のユーザーの嗜好に合わせ | |
多数の石を作らなければいけないのが辛いところ、と彼は語る。 | |
「やっぱ冬の仕事はキツイね、愚痴ってもしかたないんだけどさ(笑)」 | |
「でも自分が選んだ道だからね。後悔はしてないよ」 | |
「このリリースはダメだ。ほら、すぐに落ちてしまう」 | |
彼の目にかかれば、見るだけで出来不出来が分かってしまう。 | |
技術立国日本、ここにあり。 | |
今、一番の問題は後継者不足であるという | |
仕込みに満足できないとその日のリリースをやめてしまうという | |
3年前は何十もの詫び石工場が軒を連ねたこの街だが | |
今では職人は彼一人になってしまった | |
問題は親指を連打して | |
レベルデザインを確かめるのに、5年はかかると、匠は語る | |
「自分が気持ちよいのももちろんだけど、 | |
割ってくれる人はもっと気持ちよくないといけないね」 | |
「もちろん出来上がった石は一つ一つ私自信で試しています」 | |
ここ数年は、安価な中国製に押されていると言う。 | |
「いや、ボクは続けますよ。割ってる人がいますから───」 | |
詫び石1個の価値は低い。だが、まだ輝いている。 | |
「時々ね、わざわざ手紙までくれる人もいるんですよ | |
また障害お願いしますって。ちょっと嬉しいですね」 | |
「別のゲームからわざわざ求めてこられるお客さんが何人もいる。 | |
体が続く限り続けようと思っとります」 | |
「やっぱねえ、手ごねだからこその弾力ってあるんです。 | |
機械がいくら進化したってコレだけは真似できないんですよ。」 | |
2014年、ネイティブショックで開発の価格が3倍にまではねあがり、 | |
一時は店をたたむことも考えたという | |
「やっぱりアレですね、 | |
たいていの若い人はすぐやめちゃうんですよ。 | |
ツールでやって方が早いとか、猫を吊るからいいとか…… | |
でもそれを乗り越える奴もたまにいますよ。 | |
ほら、そこにいる斉藤もそう。 | |
そういう奴が、これからの詫び石界を引っ張っていくと思うんですね」 | |
最近では海外のWabistonerにも注目されているという。 | |
額に流れる汗をぬぐいながら | |
「本物に追いつき、追い越せですかね」 | |
そんな夢をてらいもなく語る彼の横顔は職人のそれであった | |
今日も彼は、新機能のリリースよりも早く詫び石の配布準備を始めた | |
明日も、明後日もその姿は変わらないだろう | |
そう、詫び石職人の朝は早い | |
───――完───―― | |
出典: 虹裏 | |
抽出元は http://beagle3.blog47.fc2.com/blog-entry-83.html とか |
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