GPD Pocketの内部に熱伝導シートを貼り筐体から熱を発散させることで、CPUファンを完全に停止して無音化しても温度上昇を抑え安全に運用できる。
GPD PocketにUbuntu 20.04を導入したところ、負荷とは無関係にCPUファンが一定の速度で回り続けており、音が気になる。
CPUファンを完全に停止して無音化したい。ただし、熱による処理性能の低下は防ぎたい。
- CPUファン停止
- 筐体の裏蓋を外し、CPUファンのコネクタを抜いて完全にファンを止める
- OSからCPUファンを認識できておらず、回転数制御ができなかったため
- 絶縁熱伝導シート追加
- 筐体の裏蓋を外し、CPUとチップセットに熱伝導シートを貼る
- 熱伝導シートを筐体の裏蓋に接触させ、筐体から排熱する
裏蓋を開けてCPUファンのコネクタを外し、チップセット放熱用のシートを剥がす。
裏蓋と熱伝導シートを密着させるためネジに力を加えて締め込んでおり、ネジとネジ穴が長期使用に耐えられるかどうかが懸念点である。
- GPD Pocket
- CPUにAtom x7-Z8750を搭載した初期モデル
- 絶縁熱伝導シート
- 今回はこちらを使用
- 裏蓋開閉用の小型プラスドライバー
負荷時のCPU温度測定のため、sysbench
とlm-sensors
を使用
$ sudo apt install sysbench lm-sensors
sysbenchによりCPU全コアを100%で稼働させ、15分間の連続負荷によるCPU温度上昇と、負荷が終わった後5分間での温度低下を確認した。計測時の室温は20℃であった。
無対策でCPUファンを停止した場合、CPUファン稼働時と比べてCPU温度が大きく上がり夏場での連続使用に不安を覚える状態となった。一方、熱伝導シートを追加した場合はCPUファンを完全に停止してもCPU温度が上がらず、問題なく使用できる。
熱伝導シートによるファンレス排熱時は負荷時の温度上昇・無負荷時の温度低下どちらも緩やかになっており、筐体の熱容量の大きさにより温度変化が抑えられている様子が伺える。より長時間にわたって高負荷をかけた場合は排熱できなくなる可能性があるが、そのような使用方法は予定しておらず、現実には問題にならないと考えている。