トム・クランシーのテクノスリラー出世作。映画化もされてそちらも有名。
ソ連(ロシアではない!)の新型戦略ミサイル原潜のレッド・オクトーバーが訓練の航海に出るが、 父親がソビエト幹部であり、潜水艦の艦長としての評価も高く、信奉する部下や門下生も多い艦長ラミレスが、 歪んだソビエト社会の犠牲となり医療事故で亡くなった妻の恨みを動機として、 潜水艦ごとの亡命を画策する。
前半はスパイ物としての駆け引きを楽しませ、後半は米ソ全軍をあげての威嚇戦・心理戦の状態となる。
物語の焦点は、いかにしてレッドオクトーバーと連絡をとり、また、乗組員にはバレずに艦長や賛同する士官だけを亡命させ、 潜水艦も米国が手に入れるか、という点にしぼられる。
そして物語のラストは、心理戦にとどまらない実戦が展開。
架空戦記ほどのアクションは無いが、適量なアクションも有り、大部分はスパイ物の面白さもあり。一冊で色々楽しめる作品。 さすが「テクノスリラー」というジャンルの先駆的な作品ではある。
トリックを知ってしまうと何度も読みたくなるようなものではないかもしれないが、読むこと自体は十分価値があるので星2つ ★★