- 2013-06-24
- 初版
- 2013-06-25
- 復配の努力目標を来期と書いていたが今期末が正しかったようなので修正
- 参考リンクを追加
- 2013-06-26
- 総会会場の写真を削除
- 2013-06-24 10:00-12:15
午前半休を取って新横浜プリンスホテルで開催された富士通株式会社第113回定時株主総会に参加してきた。下手に感想を書くと、どこかから投槍が飛んできそうなので、あまり感想は書かずにメモだけを。
今月から新横浜勤務になったばかりなので新横浜の地理に不安があったが、新横浜駅から新横浜プリンスまで10名以上も案内係がいたので迷うことなく到着。入り口でビラを配っていたのは電機連合なのかな。ビラを受け取ってないのでわからんが。
喫茶コーナーや展示コーナーもあるらしいが、お土産の単三乾電池8本と単四乾電池8本と羊羹2本を受け取り会場に直行して3列目ゲット。
会場では『世界の車窓から』とテレビCMを流していた。
お集まりくださりありがとうございます。質疑は株主の個人保護のため削除で、それ以外は編集して総会の映像を配信する。期末配当と中間配当見送り。半導体子会社と欧州子会社の株式評価損によるもの。役員紹介と新任役員候補の紹介。
株主の総人数15万で議決権数は205万。書面またはインターネットで権利行使済みなのは5万人で154万口。よって定足数に足る。
法令と定款に従っていると報告。
- 昨年度比で売上高と営業利益は微減、経常利益は微増、純利益は株式評価損で大幅減益
- 株式評価損の特別損失は3800億
- 構造改革への取り組み
- 岩手工場は譲渡済みで三重工場は移管検討
- マイコン・アナログはスパンションへの譲渡で合意
- システムLSIはパナソニックとの統合に基本合意
- 幹部社員の早期退職優遇
- 5円の配当から無配に転落
ちょっと気になったこと。バランスシートで負債と純資産の比率を図上で表現してほしい。文字を入れる都合ってのは分かるんだけど、負債と純資産を5分5分の割合で図示するのは見たことがない。3D円グラフなみに悪い例。あと幹部社員という表現は外向きには管理職とすべきでは。
3800億の特損の時は会場から溜息。
山本社長から「対処すべき課題」と題したプレゼン。
- 成長への決意
- 構造改革でフルラインからコア集中
- テクノロジをベースとしたサービス企業
- 中期成長への基本シナリオ
- 垂直統合ビジネスモデルの追及のためのリソースシフト
- 平成25年度重点施策
- 経営体質の強化
- 新サービスの創出
- ビッグデータ活用、モバイル、ソーシャル、クラウドサービス
- グローバルな成長
- 日本発標準オファリング、アジア市場への投資、JOC
- One Fujitsu
- 6部門をインテグレーションとサービスプラットフォームの2部門に統合
- Dynamic Integrated System と Intelligent Networking and Computing Architecture の垂直統合
- 第1号議案: 取締役12名選任
- 非執行取締役を業務執行取締役と同数以上用意することでアドバイスを受け入れる方針
- 第2号議案: 監査役1名選任
- 役員賞与はないので議案にもなし
無配であることが残念。長いこと保有してきた。子会社の株で3800億の評価損が原因とおっしゃった。これは経営の失敗である。経営者は無配であることにどのように責任を感じているか。
早期の復配を約束したので守ってほしい。どのように成長させるのかを社長の生の言葉で聞きたい。
無配については全株主の意見であると受け止める。ICT産業の裾野は広がっていることがチャンス。78年間すべてのICT領域にチャレンジしてきたが、得意分野に絞る苦渋の決断を取る。
全従業員が成長の方向に確信している。グローバルにインテグレート。
第113回株主総会で出席番号113をいただけてありがたい(会場笑)。総会には毎年参加している。昨年の質問にもあったが、親会社よりも子会社のゼネラルのほうが株価が高い。日経平均が2万になったら持ち株を半分売って家内と世界クルーズしたい(会場笑)。社長のプレゼンはきれいな言葉が並んでいるが心に響かない。トップ製品になるような商品が見えないからではないか。
インフレ目標と賃金の関係を考えてほしい。物価だけ上がって賃金が上がっていないとマスコミは言っている。富士通は率先して賃金を上げていくべき。配当は0でもいいから株価を上げてほしい。構造改革では萎むばかり。16年前までゼネラルの社員だった。FUJITSU Way を読んでも具体的なことが書いてないから心に響かない(会場笑)。
株価は市場環境もあり難しい。本業で利益を出し、株価を上げたい。戦略的な商品は、単発のテクノロジから、テクノロジをベースにした統合されたサービスにしていく。
(会場からの野次「精神論だけではだめだ」)
クラウドサービスのラインナップを100以上そろえた。賃上げはすでに高水準となっている。業績連動なので本業で実績を出したい。
今期の損失の原因に対する再発防止案はあるか。
全員営業という言葉がある。経営者は10倍、管理職は5倍、一般は3倍。給与にそれだけの倍率を掛けた値の売り上げを出さないといけない。そのような考え方をしているか。
主たる研究開発の内容は。
損失の管理体制はどうなっているか。
社会・従業員・株主に対する考えは。
復配はいつか。
経営で重要なのは安全。どのような策があるか。
半導体と欧州の評価損が主たる理由。半導体は78年も投資してきたが回収できなかった。欧州はFTSがプロダクト中心であったため暖簾代を回収できなかったことと年金問題によるもの。
従業員全員が営業の素質があると考えている。開発者自らがお客様のもとに行き声を聴いている。社長自らも国内外のお客様のもとに行っている。お客様の懐に入ることでサービスビジネスをしている。
マーケティング部門の佐相副社長から回答いただく。クラウド、ビッグデータを重点的に行っている。また富士通研究所では目先の研究ではない基礎研究を行っている。
CFOの加藤に回答いただく。毎月次で子会社含めてまとめている。フォアキャストを出してリスクを見積もっている。フォアキャストにより今回の構造改革も手を早く打てたと自負している。
特に社会を重視し、株主と従業員も重視している。
復配の具体的な時期を述べたいところであるが、不確実性が高いため、あくまでも努力目標として今期末。
安全の意味がよくわからなかったが、大震災などの災害などがあっても基盤を支える会社として頑張っている。
昨年の総会で600億の黒字を宣言していたが結果は散々であった。昨年時点で3800億の評価損は予見できていなかったのか。
国内よりも海外というトレンドであるが、今回の特損は海外によるもの。せっかく国内で稼いだのに海外で損失を出しすぎている。海外はリスクを伴うのが常識。構造改革よりも海外ビジネスのリスク管理のほうが重要ではないか。グローバルでのリスク対策を聞きたい。
半導体ビジネスが実質撤退のように聞こえる。垂直統合を強みにしていくのであれば、半導体はその基盤のはずだ。今後も半導体のようなことがあれば切るのか守るのか方針を聞きたい。
大田区のカメラメーカの総会にも行ってきた。そのメーカの会長曰く、株価は会社が決められないが配当は決められるので、減配はしない、という力強い発言をしていた。富士通もそのくらいの意思を見せてほしい。 (会場拍手)
正確に言うとわかっていなかった。特損に計上する苦渋の決断であった。
海外リスクがあることは承知だが逃げるわけにはいかない。市場の変動をいかに対応するかが重要。FTSの6割がプロダクトだったので、サービスにシフトさせている。
ケースバイケースである。コア事業でないと判断されたら切らざるを得ない。
投資と配当とのバランスを見て考えたい。配当を出したいということは常に念頭に置いている。
大局的な質問が続いていたので具体的なことを聞きたい。
報告書7ページにてPC販売台数が減少となっている。デザインが悪いとさんざん言われていたが株主の責任として昨年11月に富士通製ノートパソコンで一番高いものを購入した。キーのばねが弱く、サポートに電話をしたら修理に10日から2週間かかるといわれた。島根での修理が必要だからとのことだ。東芝なら都内にサービスステーションがあり持ち込めば当日で終わる。NECも米沢に工場があり5日だ。
富士通のアフターサービスは初年度無料だが翌年は電話1件につき2000円だ。東芝とNECは2年目以降も無料。アフターサービスが遅れていると、口コミで製品がよくてもアフターサービスが悪いといわれる。電気店の複数の営業からも、富士通について同様のことを言っている。修理を早く、2年目以降も無料にと、佐相さんに言いたい。
1号議案について。個人的なことなので申し上げたくないが、社外取締役に須田さんに反対したい。須田さんを除いた11名を緊急動議として提案する。須田さんは2001年から2011年まで日銀の審議委員をしており金融緩和に反対してきた。日本経済をデフレに陥れたメンバの一人であると考えている。2008年では金融緩和をしたらハイパーインフレになるとも発言していた(議長による割り込み「短めに」)。日銀総裁の交代で金融緩和にかじを切り株価も円相場も持ち直した。金融緩和に反対する立場を取る人は民間企業には不向きである。
野副元社長について最高裁で審議が継続中である。もし富士通が敗訴したら、戦犯である秋草相談役、間塚会長、山室監査役は即刻退任してほしい。
佐相副社長より。昨年の日経コンピュータの品質に関するアンケート調査では、デスクトップは5社中1位でノートは7社中1位であった。また2年目以降の電話サポートは1回目は無料で2回目以降は有料となっている。プレミアムサービスもしており、お客様の不手際、たとえば水損や落下などにも対応するサービスも行っている。
須田氏は金融に関する知識から富士通の発展に必要であると役員全員が確信している。
裁判については仮定での質問なので答えられない。今までの審議結果からは富士通側の意見が認められている。また野副氏の件と取締役選任は別件である。
山本社長はトップセールスをしているのか。安倍さんはロシアや中東を訪問して鉄道などの社会インフラをトップセールスしていた。苦しいときこそトップセールスすべきだ。最近社長自らのトップセールスと成果を聞かせてほしい。(会場拍手)
FUJITSU Way でお客様、従業員、株主の期待に応えると書かれているので期待に応えてほしい。
先ほど全員営業の話があったが、営業センスが重要であると認識している。グローバルに歩いているし、国内では最終商談の場にも出ている。グローバルでも主な拠点は定期的に回っている。昨年は28時間かけてブラジルに行った。ブラジルの第二銀行と言われているブラデスコ銀行の頭取と会談し、手のひら静脈認証を導入した。今度はマレーシアへ。
FUJITSU Way についてはご指導ありがとうございました。
株主優待を導入し、個人が優待を目的に株を買おうとすることで株価を上げることにならないだろうか。
藤田副社長より。早期復配が第一で業績回復が急務である。優待については検討している事実はない。
富士通株を買ったのは初めて。監査役が定款に反する業務しかしていない。監査役が仕事をしていればこのような結果にならなかったはずだ。女性が役職につかれることには賛成できない。また男性役員も写真が男前でないものばかり(会場笑)。堂々とした顔つきで仕事をやっていないのではないか。報酬はゼロでもやるような人が役員をやるべき。
株を買ったのは企業の成長性を買ったためだ。従業員にべらぼうな報酬を上げろとは言わないが、新たに入ってくる社員を大切にすべきだ。従業員が子供を作り社会を成長させるという人口論で価値を高めてほしい。
貴重な意見として参考にさせていただく。
新しい社員に活躍の場を持ってもらい、活躍してもらうことが重要であると思っている。
半導体事業の再編方向性のプレスリリースが2月にあった。記者会見では 300mm ラインの譲渡やファブレスは今年度中には無理で来年度になるという見通しと述べていた。そんなに時間がかかっていては構造改革のスタートダッシュに影響があるのではないか。
経営戦略担当の肥塚副会長より。SoC はグローバルでの競争力を、300mm は安定供給とグローバル競争力を重視して協議を進めている。スピード感が重要であるという意見は受け取った。
スパコンの京で華々しい結果を出したので数年は抜かれないといわれていたが、すでに4位になってしまっている。抜き返す計画や自信はあるか。
スパコンの演算速度の立証は誰が行っているのか、素人にはわかないので説明してほしい。
4位には満足していない。スパコン事業には投資をしており日本政府と協力していく。文科省とともにエクサスパコンを検討をしている。
性能を測るソフトがあり、スパコンの協会に結果を提出して順位が付けられる。それぞれの名称までは覚えていないので佐相から追加説明を。
佐相副社長より。京は2期連続で世界1位だった。京をベースにした商用機の FX10 は国内外で展開済み。今は京の100倍を目指したスパコンを粛々と開発している。富士通単体ではなく政府やパートナーとともに。順位はベンチマークソフト LINPACK の結果を Top500 に提出することで行われる。
デバイスソリューションの製品例として電池やリレーがあった。どちらもローテクの範囲に入る部品ではないか。外部から買ったほうが安いはず。
最近は円相場の変動が大きい。為替レートの想定やリスクヘッジ案を聞きたい。
電池やリレーはいろんなベンダーがいる。決してローテクではなく、常に新しいテクノロジーが入ってきており差別化の要素がある。特に電池では FDK の持つテクノロジにより、容量だけでなく、瞬間的に電気が取り出せる特色がある。だが今後の状況によっては切り離しもありうる。
ドル93円、ユーロ120円を想定している。現状からするとドル93円が妥当か否かは判断が必要だ。ドルの場合は製品サービスの売買高の均衡がとれておりヘッジできていると考えている。(ちょっと発言に詰まってから) ユーロはバランスが取れていないので慎重に為替変動を見ながら個々に対策を取っている。
昭和60年に携帯電話を立ち上げた。今はカメラもついていて、画質はデジカメにも負けない。山本卓眞さん時代にお世話になっていたが、自分は平成11年に退職した。
前社長を追い出した裁判があり、追い出した犯人がここにいる。富士通側は裁判の回答がぼやけている。野副さんにはたくさんお世話になった。今の山本社長は山本卓眞さんの息子さんではないだろうか(会場笑)。1000円くらいの時に株を買ったが、今ではその3分の1だ。早く裁判の決着をつけてほしい。
かつては会社別に決算が出ていたが今では出しておらずぼやけている。子会社ごとに出すことで赤字の会社をはっきりさせてほしい。来期からは子会社ごとの決算を出してほしい。
野副氏については社内的に決着がついており、最高裁の判断を待つのみとなっている。1審も2審も富士通の意見が通っている。時期を明確にはできないが、近いうちに最高裁の結論が出るだろう。
藤田副社長より。グループで100社を超えるため1つ1つ記載するのは資源の無駄なのでこの程度で我慢してほしい。詳細はインターネットで参照できるのでそれで勘弁を。
今期の赤字は半導体と海外の年金で出したとのことらしい。日本でも年金問題がある。企業年金は持ち出しになるのか。半導体などの赤字をスパッと切ってクラウドに進んでいくのか。
ベースアップを考えておらず業績連動の賞与のことしか言っていない。友人で富士通にいた人がいて彼女に給与明細見せたら、私の2年前よりも安い、といわれたらしい(会場笑)。(議長による割り込み「最後の質問者なので簡潔に」)他の会社に見劣りしない給与を出してやってください。ベースアップでどーんと(会場拍手)。
構造改革によりV字回復で再スタートするという意思がある。
株主の期待に応えて社員にも還元できる。
2014年の株主総会でも皆様にお会いし「よくやった」と言われるようにしたい。(会場拍手)
修正動議があったが原案を先に採決。拍手により賛成多数で原案可決。修正動議は原案可決により否決とする。新任の紹介。
拍手により賛成多数で可決。新任監査役の紹介。
帰りにちょろっと寄ってきただけ。見たことがあるのも多いし、じっくり見てたら午後の出社に遅れちゃう。喫茶コーナーによる暇はなかった。
- 株主総会 : 富士通
- 招集通知や報告書が参照できる
- 2013-06-26 から 2013-12-25 まで動画配信もある
- ニュースやブログ
- 2013-06-24 12:47 日本経済新聞 富士通の株主総会、復配求める声相次ぐ 社長「期末配に努力」
- 2013-06-24 16:14 SankeiBiz 富士通株主総会 山本社長、今期末の復配要望に「努力目標としたい」
- 2013-06-24 16:55 高輪共同法律事務所ブログ 富士通株式会社第113回定時株主総会
- 2013-06-24 18:10 ロイター 再送-UPDATE 1-富士通 、今期の復配は努力目標=社長
- 2013-06-24 23:06 もらえるものは貰っちゃおっ! 富士通株主総会おみやげ