18回目を迎えた卒業研究もおわり,四半世紀を迎える前にアイカレの歴史を 技術変遷とともに振り返ってみるのも一興かと思いアドベントに書くことにした。 おぼろげな記憶を振り返りながらなので,大雑把な年代区切りはご容赦願いたい
トレンドはWebサービス,エンジニア科(現ITスペシャリスト科),ネットワーク科(現サイバーセキュリティ科)のシラバスを作るにあたりオープンソースとともに中心においた。
当時の沖縄では,VB + C/S の開発がメインで Java + XMLはそんなに必要とされていなかった,とある会社からは「業務で使える言語を教えてくださいよ」と言われたのは良い思い出だ 1
開校当初は,WindowsからCobaltサーバや学内BSDサーバにTelnetログイン その後 Windows/RedHat->CentOS の DualBoot環境へ。 DeskTopは使わず XWindow + Twm でIP設定やWireless設定もコマンドを叩いていた。
Pre期はCUI環境のみで講義,lynxやw3mといったCUIブラウザをマスターしてからGUIブラウザの使用を許可していた
Minimal状態のOSインストールから必要なライブラリ(gcc, make等)をリポジトリから落としてApacheをソースからインストールするのがネットワーク科の卒業試験だった
e-island宣言で,IT技術者の育成を目標として掲げた沖縄県が取り組んだのが,ORACLEの資格取得者を増やすこと。オラクルアカデミーには県内4大学, 3専門学校が参加。 第一回 Oracle de nightで特別表彰を受ける 2
- 2002年
- ECMAScript
- C#
- 2003年
- Skype
- Wordpress
- 2004年
- Mixi
- Firefox
- 2005年
- Google Map
- Git
- Youtube
Google Map(Ajax)の登場で Web2.0が新たなトレンドとなる一方で html5 vs xhtml や Ecma 4th Editionのどんでん返し等,Webのスタンダードが揺れ動いた
Linuxはカーネル2.6の成功によりUNIXやメインフレームを追い落としサーバーとして確固たる地位を築く
Ecma 4th Edition となるはずだった ActionScriptを導入した Flash/FLEXを講義として採用。 Web2.0でフロントエンドも視野に入れるが,Ecma 4th Edition は政治的な理由でポシャる。1 WHATWGとW3Cの合意を経て時代はHTML5へ加速する,アイカレでの技術選択の唯一の黒歴史。
MINIX2でOSを学んだ身として,徐々にWindows化(中身知らなくてもなんとかなる)していくLinuxディストリビューションへの危機感から講義に採用。足場をつくってカーネルからの構築になるため,UNIXの重要なコマンドとOSの仕組みが理解できる仕掛けになっている。
一つ一つの手順を確認しながら次に進まないと最初から構築し直すはめになるのでそこも良い。
IT系専門学校の資格といえば基本情報だが,本校では採用していない,コストパフォーマンスが低いというのが大きな理由だ。コンピュータが自由に使えない時代にあっては,有効な勉強方法だと思うが,現環境では優先度は低い(レガシーと現環境を区別して教えられる講師なら別)。
沖縄においては,IT系某専門学校の独擅場で専門学校合格者の8-9割を占めている。 この頃,午前試験免除の規制改革を使ってその牙城を崩すべくチャレンジした。 結果は某IT専門学校の年度最多合格者を超えたものの,相手も新記録を樹立し,残念ながら打倒とはならなかった。
[1]:Ecma 4th Edition
[2]:"オペレーティングシステム―設計と理論およびMINIXによる実装"
- 2006
- 2007
- iPhone
- 2008
- Google Cloud Platform
- WEPが解読される
- 2009
- 日本初のAndroid端末
- Go
- 2010
- Microsoft Azure
- jQuery
ざっと記憶を振り返りながらここまで書いてきたが,思いの外時間がかかってしまった。 今回は前編にして,後編は別にする。
ITのトレンドをつかむためにも,学生諸君は新しい技術にアンテナを張り,予想しその行方をトレースしてもらいたい。
- Android
- Git
- Yammer
- AWS
- Kotolin
- React
- Python
- Kali Linux