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@qnighy
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電磁気学の符号の慣習

背景

古典電磁気学には多くの対称性があり、符号を逆にしても議論が成立してしまうことが多いです。 このことが逆に厄介で、符号がアプリオリに定まらないため、明示的に慣習を確立しておかないと混乱のもとです。 本稿では古典電磁気学における符号の慣習についてまとめます。

座標

座標系は連続的な回転・拡大縮小で同一視できない2つの流儀があります。これらは互いに鏡像関係にあります。

これらを表すために、以下の慣習を用います。

  • 親指をx軸、人差し指をy軸、中指をz軸に見立て、指先を正方向と考える。
  • これらの軸が互いに直交するように、親指と人差し指を立て、中指を自然な方向に曲げる。

この動作を右手で行ったものを右手系と呼び、左手で行ったものを左手系と呼びます。

電磁気学では慣習的に右手系を使います。

クロス積 (外積)

クロス積は

$$ \left(\begin{array}{c}1\\ 0\\ 0\end{array}\right) \times \left(\begin{array}{c}0\\ 1\\ 0\end{array}\right) = \left(\begin{array}{c}0\\ 0\\ 1\end{array}\right) $$

つまり、 $\mathbf{e}_x \times \mathbf{e}_y = \mathbf{e}_z$ となるように定めます。

電荷密度、電流、電場強度、電束密度、電位

陽子の電荷が正、電子の電荷が負とします。電磁気学の応用では電子の動きを考えることが多いため直感に反することが多いですが、歴史的な背景からこうなっています。

電流は正電荷の移動方向を向きます。すなわち $\frac{\partial}{\partial t}\mathbf{\rho} = -\nabla \mathbf{J}$ です。

電場の強度や電束密度の方向は、正電荷に与えられるローレンツ力の方向と同じです。

電位の方向は、正電荷のポテンシャルエネルギーを定める方向として決まります。

磁場強度、磁束密度

磁石の極のうち、地表で北を向く側をN極、地表で南を向く側をS極といいます。地球そのものの極性は逆で、地球の北側がS極、南側がN極です。

このうち、磁石を磁気単極子の対と考え、N極側を仮想的な+極とみなして、電気と同様に符号を定めます。

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