たまに話すので普段考えていることを書いておく。
単純に書くならこうだ。
(単位時間あたり人件費) * (時間) * (参加者数)
単位時間あたり人件費をイメージするには、自分の額面給与 + 会社コストを割ってみるとよい。1ヶ月の営業日は20日、時間でいうと1日8時間、つまり160時間。たとえば年1000万だとざっくり5000円 / 時間くらいになる。
10人の打ち合わせを1時間やると5万円かかる。
上記は表面的なコストである。コストには次のものも含めるべきだ。
- その打ち合わせがなければできたであろう行動が生み出す期待収益
- 打ち合わせでつかう体力(未来の集中力を下げ得る)
- 打ち合わせの事前準備時間
打ち合わせに参加するだけで、作業や思考以上のパフォーマンスを出せないなら、打ち合わせにでないほうがよい。つまり何も反応せず、話さず、思考を深めるヒントを得ないならその時間は無駄である。
自分は「あなた自身がなにをすれば成果を出せるか」を判断できると信じるべきと思っている。これは「任意参加ミーティングのすすめ」にも書いたとおり。
一方、期待収益と書いたとおり、その時間だけではなく、将来の収益につながる行動をするのは合理的である。たとえば次の観点での社内ミーティングには将来価値がある。
- 人が育つ
- 将来生み出すものの質があがる
- (制約を減らし)スピードが向上する
次の打ち合わせは価値をあげずらい。打ち合わせの生み出す価値に敏感になっておく必要がある。
- 合意形成
- 社内だけのルールづくり
特にルールデザインをするなら、打ち合わせではなく、論理的な設計に時間をさくことに重きを置くべきだ。十分な設計なしに打ち合わせをしても、その単位時間における価値は最大化されない。わからないもの同士ではなしても進まないからだ。
一方、つながりにより生み出す将来価値は不確定であるものの、それこそが企業で働く価値そのものでもある。「つながり」についてにも書いたとおり、つぎの作用がある。
組織において、「面白いこと」「新しいこと」「新たな価値を生み出すこと」はきっとそういった「弱い紐帯」がきっかけになる。
便宜上「打ち合わせ」としているが、ワークショップでもコーヒーを飲むのでもなんでもよい。未来の価値になるように時間を過ごすとよい。
同期的なコミュニケーションは便利だが、相手に思わぬコストを払わせる可能性がある。次のことを考えるとよい。
- なぜこの議題について同期的にコミュニケーションをする必要があるのか
- 時間を半分にできないか
- 時間を短くするために事前に準備できることはないか
その上で空いた時間を、リラックスしたコミュニケーションの時間の創出、新たなアイデアや施策づくり、クオリティを上げるための作業に使うとよい。何かを作ったり変えたいという気持ちは、余裕がなければ次に向かって動いてくれない。やる気、エネルギーは打ち合わせだらけの1日で増えるわけではない。
創造的に働きたいなら、社内打ち合わせは減らし、自分が何かをよくできると考えうる最適な時間の使い方をするようにしよう。それが結果的に組織が生産的かつ創造的になるということである。
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