http://www.ted.com/talks/dan_ariely_asks_are_we_in_control_of_our_own_decisions.html
「予想通りに不合理」の著者である、行動経済学者ダン・アリエリーは昔ながらの視覚的錯覚や彼独自の思いもよらぬ(時にショッキングな)研究結果を用い、人が何かを決断する際、自分で思っているほど合理的ではないことを証明します。
スピーカーは、視覚のトリック(錯覚)について例を示し、次に臓器提供の意思表示について国ごとに大きな差があることを紹介します。
ではその差はどこからくるか? 何が起きているのか?
スウェーデンやドイツは高いドナー率(80%〜)を示しますが、オランダは僅か28%です。
実はオランダの28%は、全ての家庭に臓器提供の嘆願書を送った結果の数字です。
人に頼まれて起こす行動には限界があるようです。
では、臓器提供率が非常に高い国では何がおきているのでしょうか?
それは、臓器提供を訴える記入用紙に秘密がありました。
「臓器提供の意思が 有る 人はチェックしてください」とアンケート用紙を書くと、みんなチェックしません。
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|□ 提供の意思が有るならチェックを |
| |
+------------------------------+
「臓器提供の意思が 無い 人はチェックしてください」とアンケート用紙を書くと、やはり、みんなチェックしません。その結果、臓器提供活動に参加する事になります。
+------------------------------+
|□ 提供の意思が無いならチェックを |
| |
+------------------------------+
この意味を考えてみると、多くの場合、人は自分の決断で行動していないということです。
多くの人は、自分の行動は自分で決定していると思っていますが、それは幻影です。実はそう思わされているのです。
(略) 選択肢が複雑化した医者が取ってしまう行動の話があります。怖いですね。
(略) コーヒー付きのローマ旅行が、コーヒー無しのローマや、終末のパリよりも魅力的に写るという話があります。面白いですね。
次に、広告の例をご紹介しましょう。
ある新聞に、雑誌購読プランについて広告がのりました。
この広告には3つの選択肢(プラン)が書いてあります。
- オンライン購読 $59/year
- 雑誌の定期購読 $125/year
- オンライン + 雑誌の定期購読 $125/year
かなり… そう、これはかなりおかしな広告です。
広告主や広告代理店に聞いても、この広告の狙いについての回答は得られませんでした。
そこで、私は同じような実験を MIT の学生100人に対し行いました。そこで得られた数字は、
- 16%
- 0%
- 84%
です。大部分(84%)が、3. を選択しました。
そこで私は、誰もが望まない選択肢(2.)を外し、別の学生100人に対し再度実験を行いました。
その結果がこれです。
- 16% → 68%
- 0%
- 84% → 32%
最も人気のなかった選択肢(1.)が、最も人気になりました。
反対に最も人気のあったはずの選択肢(3.)が、最も人気のないものに!
これが何を意味するかというと、 真ん中の役に立たない選択肢(2.)は、誰も望まないという意味では役立たずですが、 人に自分が望むものを分からせるという点では、役立たずではなかったのです。
実際、雑誌のみで $125 という選択肢(2.)に比べて、オンライン + 雑誌購読 で $125 という選択肢(3.)は、すごくお得に感じられます。
そして結果として、人はそれを選びます。
基本的に「我々は自分の好みをよく分かっていない」ということです。
我々は外部の影響を受けやすいのです。
物質的な何かをデザインするとき我々は限界を意識します。そして限界をわきまえて作ります。
しかし形の無いもの(保険,年金,株式)をデザインするとき我々はしばしそれを忘れます。
我々が物質的な限界を理解すると同時に、認識の限界を理解するならば、より良い世界を設計する事ができると思います。