心理学類 山田 一夫
強い恐怖を感じるような出来事を経験した後、
- そのような出来事の再体験
- 類似した出来事に対する強い心理的苦痛と回避
- 持続的な覚醒亢進
PTSDの発症メカニズムは未だ明かではない。
PTSD発症のメカニズムを考える。→ストレスと脳との関係。
ストレスが脳(特に海馬)の機能や構造を変化させる。
サルの研究から
これらがPTSDに影響するのではないか
光や音、場所などの刺激 + 電気ショック → 条件性恐怖反応
事前に与えた刺激から、ストレスを測定する。
- ContexAで十五回のフットショック
- ContexBで一回のフットショック
- ContexBでテスト
あらかじめ1で十五回フットショックを受けたものは、3の時恐怖反応が大きく出た。
- NMDA受容体遮断薬を投与し、ContexAで十五回のフットショック
- ContexAでテスト
- ContexBで一回のフットショック
- ContexBでテスト
ストレスを受けた記憶を破壊しても、些細な刺激に反応してしまう。
ストレス誘発性恐怖増強効果 → PTSD動物モデルとの関連
- フットショックを四回
- 強制水泳
- 電撃、水泳
- リマインダ
- 装置馴化
- 文脈恐怖条件付け
- 保持テスト1
- 保持テスト2
- 保持テスト3
ストレスを受けた群は強い汎化を示す。
人間はストレスに対して様々なホルモンを出す。
コルチステロン合成阻害薬投与の効果。
- 電撃、水泳
- オープンフィールドテスト1
- リマインダ
- 装置馴化
- 文脈恐怖条件付け
- 保持テスト1
- オープンフィールドテスト1
- 保持テスト2
- 保持テスト3
副腎質ホルモンの合成を阻害しても、ストレス症状は出ている。
副腎を除去してみたものの、結果は同じであった。
- アドレナリンβ受容体遮断薬
- PTSDの治療薬として有効
- 人を対象とした実験では、PTSDを抑制することが示された。
恐怖条件付け実験の前にプロプラロールで投与しても、結果は同じだった。
筑波大学 青木
Post Traumatic Stress Disorder
心的外傷後に生じるストレス性の精神疾患。
- トラウマ症状が一ヶ月以上磁束
- 自覚的な苦悩か社会機能の低下が顕著
刺激によって身体に生じる歪みに対して、生体は修復しようとする。
刺激による歪みの修復が不可能もしくは時間がかかる状態。
- その時と同じ恐怖や不快感を齎し続ける
- 強い衝撃をもたらすような、日常的ではない体験
アメリカ人では八パーセント。
次の人間がなりやすい。
- 強姦、軍事的な理由
- マイノリティ
- 遺伝
単発の出来事に対する反応
- 事故
- 自然災害
- 犯罪
外傷出来事が明確。
繰り返される外傷出来事に対する反応。
- 児童虐待
- 監禁、DV
- 戦争被害
- 捕虜
PTSD以外の診断も多い。
- 抑うつ、悲哀、怒り
- 集中力、混乱、健忘
- 過敏、引き篭り、退行
- 睡眠障害、食欲乱れ、動悸
- 心理的外傷な出来事の暴露
- あやうく死ぬような出来事があった
- 強い恐怖、無力感
- 不快で苦痛なトラウマの再体験
- トラウマを被ったそのままの記憶(断片)が何の誘引もなく現れる
- 体験を思い出すような状況や場面を避ける。
持続的な警戒態勢。
異常事態に際して、常に警戒態勢が敷かれ、覚醒時の基準が高いまま維持されている。
自分についての諸機能の連続性・統合の破綻
心的ストレスと密接な関係がある。
- セルフケアが可能
- 単独セルフケアが困難
- 日常生活が困難
- アセスメント
- プランニング
- 治療
- フィールドバック
- 中核症状のみが問題になるケースは少ない
- 解離が生じるケースの取り扱いの難しさ
- 時間がたってしまった複雑性PTSD
筑波大学 松井 豊
東日本大災害は複合災害。
- 巨大地震
- 大津波
- 原発事故
- 悲嘆
- 喪失
- 惨事ストレス