筑波大学は最近二学期制へと移行しはじめていて、色々大変なことになっています。 それと同時に GPA制度 なるものも導入されようとしています。 このGPA制度は平成25年度以降入学者用ですので、 現在在学している人間には関係のないことだと思います。
ここに書いてあることは、正しいつもりですが、 個人が書いたものです故、間違えを含む可能性があります。 この文章は自己責任のもとで読んでください。
単位取得にリスクというのは、 恐らく現在在学している学生にとっては全く馴染みがないと思います。 しかしGPA制度の導入により、ほとんど全ての単位 [1] について リスクを負う可能性があります。
[1] | 後述する自由単位は、GPAの計算から除外される可能性があるので、 このような記述となっています。 |
というのは従来GPA制度が導入されていない場合と、 GPA制度が導入された場合で次の例を考えてみます。
二単位の科目である「解析学」を一年目は取得に失敗し、D評価となった。 その次の年に取り直し、A評価となった。
この場合、従来のシステムでは最初にとったD評価という事実は破棄されるので、 単純にA評価という事実だけが残ります。 しかしGPA制度導入後は、D評価が残るシステムとなっているので、 評価に差が出ます。
具体的な数値をあてはめて計算してみると明らかですが、 ここでは、
- A ...... 3
- B ...... 2
- C ...... 1
- D ...... 0
という方針で評価するとします。 従来のシステムでは例の場合、 D評価を取ったという事象は計算から除外されるので、 単純に2単位の科目についてA評価を取ったとして、 `3 * 2 / 2 = 3`という計算 [2] により、 3ポイントが得られます。
[2] | この計算は、ポイント * 単位数 / 総申請単位数 という計算になっています。 |
しかしGPA制度導入後については、 D評価についても取得した単位とみなされるので、 2つの単位(この例では同じ「解析学」)について、 D評価とA評価を取ったということになります。 従って、`(0 * 2 + 3 * 2) / 4 = 1.5`という計算になり、 見掛け上は従来と変わらぬA評価ですが、 GPA計算上は1.5ポイントということになります。
このような例を見て明らかだと思いますが、 GPA制度はほとんど全ての単位についてリスクを課すというシステムになっています。 つまり、従来のシステムのよく行なわれていた、 「とりあえず履修しておいて、テストの結果C以上の評価が来れば御の字」 というような戦略はGPA制度上不利になります。
筑波大学には「自由単位」と言って、 主に他学類の授業を取ってそれを卒業に使うというシステムがあります。 先ほどの例を見て気が付くと思いますが、 GPA制度からして、 他学類の単位を取るということはそれだけ自身のGPAが汚染される可能性が高まります。 他学類の科目を受けるということは、専門外の、不得意な科目にチャレンジする必要があるからです。 いくらなんでもそれは不味いということで、 学類によっては [3] 自由単位をGPAの計算から除外するという方針になっています。
[3] | 私の所属する情報科学類には、メールにて問い合わせたところ、 自由単位はGPAの計算に含めないとのことでした。 |
僕がこのGPA制度施工後において、一番良いと思う履修戦略は 一発必中で正確に単位を取ってゆくということです。 従来のシステムでは、留年などのリスクを回避するために 上の学年の単位でも適当にチャレンジするという戦略がありました。 この戦略は、仮にD評価が付いたとしても、再度取り直せばなんとでもなるうえ、 良い評価を取るうえで肝心要の過去問をほぼ確実に入手出来るため、 一部の間で有効とされていました。
しかしGPA制度導入に伴ない、 この手法はGPAを汚すリスクが非常に高くなりました。 まだ良く分かっていませんが、GPA制度が大学院進学の指標となる場合、 今後に進学を考えている人間にとって、従来の戦略は不利になる可能性が高いです。
従って、GPA制度導入後は、 なるべく標準履修年次に沿った慎重な履修計画が良いと思われます。 取れるかどうか分からないものは、周りとよく相談してから決めた方が無難でしょう。 特に、周囲の人間と共に履修することは、 病欠などで授業を聞き逃した時のリカバリーがしやすいので、 分けの分からない授業に単騎突撃するよりは、 周囲の人間や先輩の勧めなどに従って、多人数で履修してゆくのが良いでしょう。
また、所属する学類が運悪く自由単位をGPA制度の対象としている場合、 ダーティーなテクニックですが、他の学類と重複している単位を狙うということです。 例えば自分の学類で「解析学」を履修していて、他学類である情報科学類にある 「解析学」を自由単位として履修するということです。 大学を舐めていると怒る人もいるかもしれませんが、 GPAを汚染するリスクを回避するという意味では有効であろうと思われますので、 参考程度に記憶しておくのもよいでしょう。