この記事はAizu Advent Calendar 2015の8日目の記事です。ロジバンでいかに心がぴょんぴょんすること
を伝えるかについて考えていきます。
ロジバンとは、人間同士のコミュニケーションのための人工言語です。
- 自然言語ではなく述語論理を元に文法が作られている。
- 構文に曖昧さが無い。
- 話者の態度、感情を表す単語(心態詞)がある。
- 音(音素)と文字が完全に対応している。
などの特徴を持ちます。
この記事の内容から少し外れるので、この場ではロジバンについての詳細な解説はしません。
Wikipediaのロジバンの記事やはじめてのロジバン 第2版に詳しい解説があります。
ニコニコ大百科(仮)の『あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~』(2015年12月20日時点)によると、
あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~
のロジバン訳は
.o'u ^~ lo cnise'i cu sa'ei .pionpion. plipe ^~
だそうです。
.o'u
:心態詞。ゆったりくつろぐ気持ちを表す。lo cnise'i
:項。体の一部ではない、感情的な意味でのこころ
。sa'ei
:すぐ右の単語を擬音語に変換する。.pionpion.
:ぴょんぴょんplipe
:述語。x1 (者/物)は x2 (終点)に x3 (起点)から x4 (高さ)ほど x5 (動力)によって跳躍/ジャンプする。
plipe
という述語のx1にlo cnise'i
という項が入った文になっています。
一見、良さそうな訳に見えますが、問題があります。
日本語の心がぴょんぴょんする
からロジバンに訳した際、跳ぶ
という述語を使うのは、いささか訳しすぎている気がします。
というのも、ここでのぴょんぴょんする
は、ぴょんぴょん跳ぶ
という意味ではないと思うのです。
よって、この場合、plipe
を使わないことで、より意味を曖昧にするのが良さそうです。
修正すると、
.o'u ^~ cnise'i sa'ei .pionpion. ^~
となります。
物が跳ぶ時、ぴょん
というような音は鳴りませんよね?(マリオは例外ですが)
このことから、ぴょんぴょん
は擬態語だと思われます。
よって、擬音語を作るsa'ei
の代わりに、擬態語を作るci'oi
を使うのが良さそうです。
修正すると、
.o'u ^~ cnise'i ci'oi .pionpion. ^~
となります。
ロジバンは、まず音が先にあり、その音に対して文字が割り当てられます。 面白いことに、公式の文字割り当ては存在しません。 現在は、アスキー式と呼ばれる文字割り当てが広く使われています。
アスキー式では^
と〜
に対応する音はなく、かつ^
と〜
は引用の中に現れているわけではありません。
ここは、アスキー式に従って、
.o'u cnise'i ci'oi .pionpion.
と書くのが良さそうです。
これでひとまず良さそうな訳になりましたが、個人的に納得できない所があります。
この記事をここまで書いた段階で、試しにご注文はうさぎですか? 第1羽「ひと目で、尋常でないもふもふだと見抜いたよ」であぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~
とコメントしてみたところ、
- 何だこの客?
- ひと目で尋常でないもふもふだと見抜いたよ
- かわいい
- 癒やし
- かわいい
- かわいい
のような感情が湧き上がりました。
上のリストを見るに、自分の場合、.o'u
だけでは十分に感情を表せていません。
自分であればここは、述語などを心態詞に変換するki'ai
、かわいい
を意味する述語.iumle
、感情が強いことを表すsai
を使って、
.o'u ki'ai .iumle sai cnise'i ci'oi .pionpion.
とします。
.o'u ki'ai .iumle sai cnise'i ci'oi .pionpion.
ただし、.o'u ki'ai .iumle sai
は、自分がついさっきコメントした際の感情です。
心態詞の部分は、話者や時や場合によって変化するはずなので、適当に変える必要があります。