いろいろな業界の業界用語で、「バミる」「バミリ」「バミ」がいくつかの意味で使われている。 共通する部分と異なる部分がある。
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意味 1. テープで舞台の床に印をつけ、演者の位置や機材の設置位置を示す
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意味 2. (テープで) 固定すること
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意味 3. ダンスでダンサーが踊る番号つきの印 (必ず 90cm 間隔にする)
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意味 4. ホテル業界で「予約を入れる」こと
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意味 5. スケジュールを仮に押さえること
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意味 6. バーミヤンで食事をする
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意味 1 を示す URL ... https://www.tbs.co.jp/kids/tv_uragawa/quiz_07-answer.html
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意味 2 を示す URL ... https://twitter.com/paina/status/1550824090344501249
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意味 3 を示す URL ... https://lifestyle.studiorag.com/bamiri?disp=more&ad_net=adx&abtest=1
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意味 4 を示す URL ... https://www.neec.ac.jp/department/it/business/hotel/study/glossary/
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意味 5 を示す URL ... https://recruit-go.com/2021/05/01/video-industry-words/#%E3%83%90%E3%83%9F%E3%82%8B%EF%BC%882%E3%81%A4%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%91%B3%EF%BC%89
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意味 6 を示す URL ... https://kaisetu.org/bamiru/
このうち、意味 6 については今回の話題とは無関係。
この問題の気になるポイントは何なのか
- 語源がわからないこと
- 活用が不自然であること
- あまり辞書に採用されていないこと
- 昔からありそうな言葉なのにそれが使われていないこと
[動ラ五]演劇の舞台上やテレビ放送のスタジオなどで、出演者が立つ位置や道具を置く場所に、あらかじめビニールテープなどで目印をつけることをいう語。つけられた目印のことを「ばみり」ともいう。
[補説] 語源は不詳。「場を見る」ことに由来か。
-- デジタル大辞泉 https://www.weblio.jp/content/%E3%83%90%E3%83%9F%E3%82%8B
語源がわからない。
「場+見る」が語源だとしたら上一段活用になるべきなのに、バミるは五段活用なんだよな… (例: バミない、ではなくバミらない)
舞台上に貼り付けたテープ自体の名前は「バミリ」(五段活用の連用形が名詞化したもの?)だし…
…一体なんなんだ、この単語
-- https://twitter.com/Shake_fse1/status/1658266088524877824
デジタル大辞泉には収録されているようだけど、手元にある中型辞書では「バミる」は載っていなかった。 また、多数の辞書を同時検索できる有料のサービス Japan Knowledge で検索してもヒットしなかった。 これだけの派生が生じているほどの時間が経過しているのに、まだあくまでも業界用語という位置づけなのか。
古来から建築や演劇はあり、その中で「目印をつける」「固定する」「予約する」という行為の機会は多くあったはず。 それなのに古語に由来せず新語として「バミる」が出現しているのかがよくわからない。ミーハーみたいなものかな。
自然な説明ができそうではあるが、活用形の観点からはやや不自然という指摘がある。
「場見る」で捉えた場合には、名詞は「ばみり」ではなく「ばみせ」になりそうではある。 とはいえ、貼ったテープとして「バミ(名詞)」が先にできていた場合、それを動詞化して「バミる」となるのは不自然ではない。
他にも現代では多くの語が五段活用に収斂していってるし、新語は五段活用になりやすいため、そこまで不自然ではないかもしれない。
「カリキュラマシーン大解剖」に載っているらしい。 (ゆいてすとはまだ出典をあたっていません)
あと「バミる」の語源などテレビ草創期を知るスタッフならではの話も盛りだくさん。斎藤太朗によると、技術さんで絶縁テープが好きな人がいて、その人のあだ名が「バミさん」。そこから絶縁テープが「バミテープ」と呼ばれ、そのテープを立ち位置の印として貼り始めたから「バミる」になったと! https://twitter.com/u5u/status/1611998856983769089
「元祖テレビ屋大奮戦!」に載っているらしい。 (ゆいてすとはまだ出典をあたっていません)
ーこのビニール・テープでマークをつけることを、今では日本テレビ以外の局でも「バミる」というんですが、その由来が面白い。NTVの技術局員で福井さんという方がいて、この人がなんでもチョロッと失敬するのがうまい。どこの方言が知りませんが、この失敬することを「バミる」と言い、バミるのがうまいこのダンナで「バミダン」と呼ばれていたんです。- ーこのバミダンが愛用するテープだから、これをバミテープと言い、そのバミテープでフロアにマークを付けることを「バミる」と呼ぶようになった- ただし!井原はジャズマンでした。戦後のジャズマンはホラ吹きが多いのですよねぇ~。オモシロがってまじめな時にとんでもないホラを吹いたり、見てきたような作り話で人をからかうのです。またそれがちょっとイカれた戦中派のジャズマンたちのチャーミングなところだったりします。ただ井原高忠は氏も素性もよく良識人だから大丈夫!…と思いたいなぁ。でも初期のテレビ屋さん達はどこか怪しい雰囲気があるからなぁ~・・・となってしまう割り切れなさが、すごく困るし良いのです。
https://note.com/randoku/n/n706f1c0406ed
「目張り」とかの「張り」から「ばんどいて」が訛った可能性ってもう出てますか? https://twitter.com/shimesaba_mgmg/status/1712421938189173012
もちもちのしめさばさんから。ありがたい。
https://twitter.com/yuitest_dev/status/1712421127014989854
自分の説。特に推したいわけではなく、なるべく仮説を挙げようと思って挙げた感がすごい。
ありそう。でも外来語はいまのところ見つかっていない。
- バミリテープ ... バミるときに使うテープ
- バミテ ... バミリテープの略 (ガムテープをガムテと略すのと揃えるような感覚で)
バ~ミバミバミバミ! おれはバミバ星からやってきたバミバ星第3王子バーミヤンだバミ! お前たち地球人、かたっぱしからバミってやるバミ!