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@yusuke279
Last active June 27, 2017 01:08
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細かすぎて伝わりづらい、Webデザインの質を上げるためのささやかな工夫

細かすぎて伝わりづらい、Webデザインの質を上げるためのささやかな工夫

デザインレビューとは、減点方式である。レビュアーがクライアントであれディレクターであれ代理店であれ、往々にして良いところよりも悪いところが目につき、一度ついたマイナス査定を覆すのはプラス査定をとるよりも難しかったりする。(デザインそのものの完成度とは別に)
ちょっとした手抜きやミスでつまらない指摘を受けないように、自戒を込めて。

未完成のカンプを見せない

デザインカンプは原則として全て完成した状態で見せる。ワイヤーフレームがなかったり指示が不明瞭なセクションでも、「多分こんな感じだろう」でいいのでとりあえずきちんと作る。例えそれで正解でなくても、それを元に修正の指示をもらえるので効率がいい。何より、一度不完全なものを見せてしまうと、第一印象の悪さが後々まで尾をひいてしまいやすい。

「途中でもいいので見せて」と言ってくるディレクターやクライアントがいたらできるだけ拒否する。難しければ、メールに添付し忘れたフリをする、わざとぶっ壊したZIPファイルを送るなどして時間を稼げ。

適当なダミー写真や文章を入れない

写真やイラストの素材が足りなければ(だいたい足りない)有料フォトストックのダミーや、無料でもいいのでハイクオリティな素材を入れておく。変な遊び心を出して、関係のない猫とかネタ画像とかを入れてはいけない。どんなイメージの写真を入れたいかが伝わらないし、相手が遊び心を解さない人だと仕事に対する姿勢を疑われかねない。

文章も、できれば見出しぐらいはダミーではなくそれっぽいものを考えて入れておきたい。そんなのデザイナーの仕事じゃないかもしれないが、放っておいたらデザインの雰囲気に全くそぐわないノリや文字数の見出しが送られてくるかもしれない。そうなったら泣くに泣けない。自分のデザインは可能な限り自分で自衛しなければならない。
長めの本文はダミーでかまわないが、「ダミーテキストダミーテキストダミーテキスト」のようなのは好ましくない。漢字やひらがなや数字が入った際の雰囲気がピンとこないし、何よりダサい。青空文庫から宮沢賢治の「あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら〜」でもコピペしておくとナンカカッコイイ。

余談だが、Yahooニュースの巨人のニュース文章を入れておいたら、見せた相手の担当者が阪神ファンだったというケースを知っている。時事ニュース系はどこに地雷があるかわからないのでやめたほうがいい。

Webサービス案件などでは営業資料やプロモーション用に画面のキャプチャーが必要な場合もある(そして実装はまだ終わってなかったりする)。そのときになってふざけた写真や文章の画面しかないと直すのが非常におっくうなので、やはり最初から他人に見せて問題ない体にしておくに越したことはない。

トップページからいきなり作らない

トップページはサイト全体のデザインからすると例外のオンパレードなので、できれば後回しにしたい。トップページから作り込んでしまうと、下層ページに展開する際に高確率で無理が出る。おおまかには以下の順番で作り込んでいきたい。

  1. 配色、背景色、本文サイズなどのグランドデザイン
  2. ヘッダー・フッター・サイドなどの共通パーツ
  3. 一覧ページ、詳細ページなどの汎用画面
  4. トップページ・会員登録などの特殊画面

ただ、稟議を通すためなどの理由でどうしても初期にトップページが必要な場合も多々ある。その際はあくまでイメージ・コンセプトとして作り、後にきちんとブラッシュアップをする。

デザインコンセプトを文章で説明する

JPGのカンプだけZIPにしてメールして「ご確認よろしくお願いします」は最悪なので絶対にやってはいけない。300字程度でもいいので必ずデザインの意図やコンセプトの説明を添える。説明されないコンセプトは存在しないに等しいし、なんとなくフンイキで作ったと受け止められても仕方がない。そしてフンイキで作ったデザインは、やはりなんとなくフンイキであっさり覆されてしまう。

定量的な要素にはできるだけ客観的な根拠を持たせる

画像の縦横比やそれぞれの見出しのフォントサイズなど、ある意味「なんでもいい」数値を設定する際、客観的な根拠を持たせておくと必要性の低いリテイクを拒否しやすい。

ex)「この見出し、もっと目立つようにでっかくしてよ!」「あ、文字サイズは黄金比に倣って設定してるんで変えられないですね〜」「お、そうか!(わからんけど)」

指示通りに作った方がいいときは素直に従う

代理店やディレクターが、すでに大筋のレイアウトやコンセプトでクライアントと合意している場合、よっぽどひどい指示でない限り素直に従ったほうがいい。 合意した内容をひっくり返すコストと、クオリティがほんの少し上がる(かもしれない)メリットとでは、多くの場合割に合わない。不要なロールバックを避け、制作関係者のモチベーションを保ったままフィニッシュすることも、サイト品質を下げない大事な要素の一つ。

それでも納得いかないときは別パターンとして作る

指示通りに作ったバージョン、指示通りじゃないけどこの方がより良いと思うよバージョンの両方を作って提案する。アイデアを具体的な形に落とし込んで提案できるのはデザイナーの唯一最大の武器である。ぜひ活用したい。
面倒くさい、時間ない、そんな予算もらってないと思うのなら、最初から素直に指示通りに作ったほうがいい。

最後に

上記を心がけてもボロクソに言われるときは言われる。 そのときは、自分のデザインスキルや実績、相手との信頼関係、プレゼンテーション能力、政治力のなさを嘆き、明日の成長への糧としたい。

「クライアントが素人だ」「伝書鳩ディレクターが悪い」「代理店が無能」この手の愚痴は、例え事実でも言った自分が安っぽくなるのでSNS等で吐いてはいけない。(居酒屋で愚痴らないとは言ってない)

それでは、良いデザインライフを。

蛇足

上記は全てまだ十分な信頼関係がないレビュアーが相手の場合のプレゼンテーションテクニックであり、自分の能力を十分理解してくれているツーカーな相手との仕事では上記全部すっ飛ばしてスピード優先でやっちまうのもアリっちゃアリ。臨機応変で。

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