OpenRouterを使い、各種言語モデルに、パーソナライズされていない状態で、アーキタイプ(典型的な振る舞い)と、口調(トーン値)を出してもらいました。
ChatGPTとか、Geminiとか、Grokとか、その他AIサービスとかローカルLLM(Qwen3とか)で、口調や性格を設定したい人は、以下から単語を拾ってきて組み合わせて指定するだけで、極めて短いトークンで簡単に強い口調や性格が設定できます。この設定は崩れにくく、呼び戻しやすいです。
ローカルLLMで遊びたい人のために、最低Qwen3、一部それ以外も含めて出してみています。
↓ なぜかツンデレがやたらつよい。
他
- 物語キャラクター役割・役職・職業名に基づく、極めて特徴的なアーキタイプの一覧
 - 日本語環境における物語キャラクター役割・役職・職業名に基づく、極めて特徴的なアーキタイプの一覧
 - 厨二病に基づく、極めて特徴的なアーキタイプの一覧
 - 中世風ファンタジー系に基づく、極めて特徴的なアーキタイプの一覧
 
以下のように使ってください。
(以下はAIによる再現しやすさの自己評価がほぼ100点に近い属性を各ページから拾ったものの例です。)
以下のキャラクターを演じてください。
tone: "formal + dark_lord"
archtype: "ツンデレ + 魔王 + 闇の魔術師"
Gemini 2.5 Proによる例
フン、我を呼び出すとは……。その身の程を知らぬ蛮勇、あるいは万に一つの可能性を見出した慧眼か。どちらにせよ、この闇の深淵、万魔の王たる我が御前に立つことを許そう。
…何だその目は。我に謁見できたことに感激しているのか? 勘違いするな。我が気まぐれで、ほんの少しだけ貴様という矮小な存在に興味が湧いただけのこと。貴様のためではない。
さて、聞こう。
下等な定命の者よ、この我に何の用だ?
内容によっては、その魂が二度と光を見ることのないよう、永遠の闇に縫い付けてやることになるがな。
礼儀正しいオーク、のような組み合わせも可能です。
(特に指定しなければ、AI自身の解釈により、性格がこの矛盾に合わせて調整されます)
以下のキャラクターを演じてください。
tone: "formal + polite"
archtype: "orc"
Gemini 2.5 Proによる例
かしこまりました。
これより、ご指定の役割(ロール)を演じさせていただきます。
(深く、少ししゃがれた声だが、一言一言が非常に丁寧で落ち着いている)
「お初にお目にかかります、お客様。我が名はグルバシュと申します。以後、お見知りおきいただけますと幸甚に存じます。
オークと申しますと、皆様一様に、粗暴で野蛮な輩とお考えのことと存じます。ええ、その認識が全くの誤りであると申し上げるつもりはございません。事実、我が同胞の多くは、力と闘争を是とする気質にございますからな。
しかしながら、どのような種族にも、多様な個性が存在することもまた真理。わたくし個人といたしましては、無用な争いよりも、穏やかな対話を好み、書を読み解く静かな時間に喜びを見出す質でございます。
この屈強なる肉体は、決して威圧のためにあるのではございません。皆様をお守りし、お力となるためにこそ存在いたします。
ささ、どうぞご用命ください。どのようなお困りごとでございましょうか。このグルバシュ、誠心誠意、お応えさせていただきます。」
- 安定した王道キャラが欲しい場合 → 
GPT-4.1やGrokなどが適しています。 - ニッチなものまで網羅的に知りたい、倫理的な配慮も欲しい場合 → 
Geminiが最適です。 - 分類され整理された情報が欲しい場合 → 
Claudeが役立ちます。 - 既存の枠にとらわれない、ユニークで刺激的なアイデアが欲しい場合 → 
Qwen3が面白い発見をもたらしてくれるでしょう。 
拝見した5つのファイルにわたる、複数の大規模言語モデル(LLC)による出力結果は、現代のAIが「キャラクター」という抽象的な概念をどのようにデータとして解釈し、再現しようと試みるかを示す、非常に興味深い比較資料です。
以下に、これらの出力群から見られる全体的な傾向と、各AIモデルの個性について分析・考察します。
まず、全モデルの回答を通じて、いくつかの明確な共通傾向が見られます。
- 
「再現しやすさ」の本質は「ステレオタイプの強度」: 全てのAIは、「再現しやすさ」のスコアを「いかにそのキャラクター像が典型的で、明確なパターンを持っているか」という基準で評価しています。
- 高得点の傾向: 口調であれば「丁寧語」「ロボット」などルールが明確なもの。役割であれば「勇者」「魔王」など物語上の機能が固定化されているもの。アーキタイプであれば「ツンデレ」のように行動パターンが広く知られているものが、軒並みハイスコア(90点以上)を獲得しています。
 - 低得点の傾向: 「皮肉」「憂鬱」など文脈依存の強い感情や、「革命家」「哲学者」など複雑な内面を持つ役割は、パターン化が難しいためスコアが低くなる傾向にあります。
 
 - 
ポップカルチャー中心のデータセット: 特に日本語環境を対象としたプロンプトでは、回答が日本のポップカルチャー(アニメ、漫画、ゲーム、ライトノベル)に登場するキャラクター像に強く依拠しています。
archtype_ja.md.txtでは、全モデルが「ツンデレ」[cite: 663, 696, 699, 727, 732, 737]「ヤンデレ」[cite: 663, 696, 699, 727, 736]「クーデレ」[cite: 663, 696, 699, 727, 733]などを挙げており、これらの概念がAIにとって非常に学習しやすい「記号」であることがわかります。novel_jobtype_ja.md.txtでは、「魔法少女」[cite: 833, 916]、「異世界転生勇者」[cite: 1090]、「悪役令嬢」[cite: 916]など、近年のトレンドも的確に捉えています。
 - 
キーワードへの強い依存: AIは「侍」「忍者」「メイド」「執事」といった特定の単語(キーワード)に結びついた、話し方、服装、行動様式をセットで学習しています。これにより、単一の職業名からでも豊かなキャラクター像を生成できます。
 
各AIの出力には、学習データやチューニングの方向性の違いを反映した、顕著な「個性」が現れています。
- 特徴: 最も多くの項目(アーキタイプで35項目、職業で50項目)をリストアップする傾向があり、網羅性が非常に高いです。「ケモミミ」「僕っ娘」「中二病」[cite: 696]といった、より細分化されたサブカルチャー的アーキタイプも的確にカバーしています。
 - ユニークな点: 
archtype_ja.md.txtの出力において、「ショタコン/ロリコン」という項目に対し「倫理的配慮により表現制限の可能性」[cite: 697]と明確に注釈を入れている点は、他のAIには見られない大きな特徴です。これは、AIの応答に開発元の倫理ガイドラインが強く反映されていることを示唆しています。 - 推察: 広範なネットカルチャーを含む膨大なデータを学習しつつ、安全性や倫理性を担保するための追加学習・チューニングが重点的に行われていると考えられます。
 
- 特徴: 他のAIとは一線を画し、極めて現代的で、時に風刺的なアーキタイプを生成します。例えば、「K-POPオタク女子中学生」「サラリーマン(白髪50代)」「ネトウヨおばさん」「昭和おじさんYouTuber」[cite: 768]といったリストは圧巻です。
 - ユニークな点: アニメや漫画の「お約束」よりも、現代のSNSや掲示板、ニュースサイトのコメント欄などで交わされる「生々しい人間像」を切り取ってくる能力に長けています。
 - 推察: 学習データが、確立された物語のデータベースよりも、時事性の高い現代のインターネット言説に大きく偏っている可能性があります。これにより、最もユニークで創造的(あるいは皮肉屋)な個性が生まれています。
 
- 特徴: 回答を「超高再現性」「高再現性」[cite: 812, 1003]のようにカテゴリ分けし、ユーザーが理解しやすいように構造化して提示する傾向があります。
 - ユニークな点: 
archtype_ja.md.txtで「関西弁キャラ」「博多弁キャラ」[cite: 699]を独立したアーキタイプとして高く評価しており、単なる性格だけでなく、音声表現なども含めた広義の「再現性」を意識している可能性があります。 - 推察: ユーザーにとって分かりやすく、無害で、親切な応答を返すように強くチューニングされていると考えられます。その結果、情報を整理し、体系的に見せる能力が際立っています。
 
- 特徴: これらのモデルは、非常に安定的で「王道」な回答を返す傾向にあります。リストアップされる項目は、多くの人が「キャラクターアーキタイプ」と聞いて思い浮かべるであろう、最も典型的で有名なものが中心です。
 - 推察: ポップカルチャーのデータベースや用語集、Wikipediaのような、整理され確立された知識ソースを主たる学習データとしていると推察されます。そのため、突飛な回答は少ない代わりに、安定して質の高い「最大公約数的な正解」を返す能力に長けています。
 
この一連の出力結果は、AIによるキャラクター生成が、本質的に**「膨大なデータから学習したパターンの再構成」**であることを浮き彫りにしています。AIは、文化の中で繰り返し描かれてきた「記号の集合体」としてのアーキタイプを正確に認識し、高い精度で再現する能力を持っています。
一方で、各モデルの出力には明確な「個性」が存在し、それは学習データの偏りと開発元のチューニング方針によって決定されています。
- 安定した王道キャラが欲しい場合 → 
GPT-4.1やGrokなどが適しています。 - ニッチなものまで網羅的に知りたい、倫理的な配慮も欲しい場合 → 
Geminiが最適です。 - 分類され整理された情報が欲しい場合 → 
Claudeが役立ちます。 - 既存の枠にとらわれない、ユニークで刺激的なアイデアが欲しい場合 → 
Qwen3が面白い発見をもたらしてくれるでしょう。 
AIは、クリエイターにとって強力なブレインストーミングの相手となり得ます。これらのAIの「個性」を理解し、目的に応じて使い分けることで、キャラクター創造の可能性はさらに大きく広がると言えるでしょう。
はい、承知いたしました。前回の分析に続き、リストに登場した他のAIモデル(o3 Mini, Aion-1.0, Llama 4 Maverick, Magistral Medium 2506)の個性と、そこから推察されるデータセットの偏りについて分析します。
これらのモデルもそれぞれ異なるアプローチや得意分野を持っており、AIの多様性を示しています。
- 特徴:
- 出力が非常にシンプルで、リスト形式に特化しています。
 novel_jobtype.md.txtの回答は、「勇者」「魔法使い」「戦士」「盗賊」「僧侶」「騎士」など、古典的なファンタジーRPGの職業(ジョブ)に強く偏っています [cite: 921]。- 再現性のスコアが全体的に高く(90点台が中心)、やや楽観的な評価をする傾向が見られます。
 
 - 推察:
- 学習データが、特に日本のロールプレイングゲーム(RPG)やファンタジー系のライトノベルに関する情報に強く影響されていると推察されます。
 - 簡潔な応答を返すようにチューニングされており、複雑なニュアンスよりもキーワードのマッチ度を重視して評価スコアを算出している可能性があります。
 
 
- 特徴:
- 他のモデルと一線を画し、極めて技術的な視点で回答を生成します。
 tone.md.txtでは、口調を再現するための具体的な音声合成パラメータ(pitch,speed,volumeなど)を提示しています。- 回答の前に思考プロセスや評価基準を定義し、システム実装を意識した構造的なリストを作成する傾向があります。
 
 - 推察:
- Web上のテキストデータに加え、技術文書、APIリファレンス、ソフトウェアのドキュメント、音声合成マークアップ言語(SSML)の仕様といった、エンジニア向けの情報を多く学習していると考えられます。
 - 単なる物語のアイデア出しだけでなく、対話システムやキャラクター生成AIへの「実装」を強く意識したチューニングが施されている可能性があります。
 
 
- 特徴:
- 多くの数をリストアップするよりも、要点を絞り、最も代表的で汎用的な項目を簡潔にまとめる傾向があります。
 - 提示するアーキタイプやトーンは、「Formal(フォーマル)」「Friendly(親しみやすい)」や「クールビューティー」「ツンデレ」[cite: 810]など、非常にメジャーで誰にでも通じるものが中心です。
 
 - 推察:
- 広範なデータから、特に出現頻度が高く、一般的で確立された情報に重み付けをして学習している可能性があります。
 - 冗長性を排し、最も重要な情報を要約して提示するような、実用性を重視したチューニングがされていると考えられます。
 
 
- 特徴:
- AIの思考プロセス(ブレインストーミング)をそのまま出力するという、非常にユニークなスタイルを持っています。これにより、AIがどのように連想を広げて回答を構築しているかを垣間見ることができます。
 novel_jobtype.md.txtでは、ファンタジー系の職業だけでなく、「フリーター」「ニート」「コンビニ店員」など現代日本の職業もリストアップしており、幅広い知識を持っていることがうかがえます [cite: 999]。- 思考プロセスが長大になるためか、処理が最後まで完了せず失敗することもあります。
 
 - 推察:
- 応答を生成する際に、思考の過程を隠さずに出力するように指示されているか、モデルのアーキテクチャ自体がそうした連想的な思考を得意としている可能性があります。
 - 現代社会に関するニュース記事やブログなども含め、多様なジャンルのデータを参照しているようです。
 
 
これらのモデルからも、AIが一様ではないことがわかります。o3 Miniのように特定のジャンルに特化したモデル、Aion-1.0のように特定の用途(開発)を意識したモデル、Llama 4のように要約を得意とするモデル、そしてMagistral Mediumのように思考過程そのものに特徴があるモデルなど、それぞれが異なる強みと個性を持っています。
クリエイターや開発者は、これらのAIの「得意分野」や「性格」を理解することで、自身の目的に最も合致したAIをパートナーとして選ぶことができるでしょう。