更新: | 2024-05-22 |
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作者: | @voluntas |
バージョン: | 2024.1 |
URL: | https://voluntas.github.io/ |
typo などは https://x.com/voluntas までご連絡ください。
定期的に更新している
時雨堂という会社を 2013 年の春に作った。どんな会社なのかを雑に書いていく。
創業者(株式 100% 保有)である自分 (@voluntas) がやりたいようにやる会社である。
自社製品を開発して儲けて、社員と社会に還元する会社でありたいと考えている。
売却も、上場も狙っていない。たくさん稼いでたくさん寄付をする企業でありたい。
会社規模は従業員が最大 7 名と決めている。
人数が多くなると売り上げを増やせるかも知れないが、色々なことに弊害が出てくる
一番気にしているのは 情報共有のコストが高くなる 事だ。
これは回避ができない。7 人であれば全員に対してギリギリ透明性を保つことができる。
少ない人数で、高い利益率、高い収益を上げる。これを目指していればぶれることはない。
社員の雇用についてざっくりと書き出してみた。
基本的には @voluntas が実際に経験して良かった事を反映している。
雇用形態: | 正社員のみ |
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勤務地: | 東京都台東区台東2-10-2 竹田ビル4F |
勤務時間: | 10:00 - 13:00、14:00 ~ 17:00 (6 時間労働) |
休日: | 完全週休 2 日、祝日、夏休み(2 日)、冬休み(変動) |
有給休暇: | 試用期間終了時に 20 日支給、毎年 20 日支給 |
給料日: | 当月分を翌月 10 日に支給。休日に当たるときは前倒し |
給与: | 正社員全員同一額 |
評価: | 評価制度なし |
昇給: | 会社の業績により判断。保証なし |
交通費: | 1 ヶ月あたり最大 3 万円が上限 |
賞与: | 会社の業績により判断。10 月末に支給。最低保証なし |
法定福利厚生: | 社会保険、厚生年金、労働保険、雇用保険 |
退職金: | 退職金制度あり |
勤怠: | 社内チャットツールへの書き込み |
健康診断: | 年 1 回人間ドックへ。 |
副業: | 業務に支障が無い範囲であれば可 |
遠隔勤務: | 条件付き採用 |
パートやインターン、新卒の採用は行わず中途での正社員のみを採用する。
創業から 4 年目にて、元々予定していた給与まで引き上げを行った。今後は給与を増やす予定はない。
ただし国の状況が変わる、例えば消費税増税などがあれば引き上げを検討する。
- 消費税が 5% から 8% になったタイミングで、 10% 昇給した
- 消費税が 8% から 10% になったタイミングで、 17% 昇給した
実績のみを掲載
- 第 2 期の実績は売上の約 15% を賞与として支払った
- 第 3 期の実績は売上の約 20% を賞与として支払った
- 第 4 期の実績はなし
- 第 5 期の実績は売上の約 15% を賞与として支払った
- 第 6 期の実績は売上の約 30% を賞与として支払った
- 第 7 期の実績は売上の約 25% を賞与として支払った
- 第 8 期の実績は売上の約 25% を賞与として支払った
- 第 9 期の実績は売上の約 20% を賞与として支払った
- 第 10 期の実績は売上の約 20% を賞与として支払った
- 第 11 期の実績は売上の約 20% を賞与として支払った
第 4 期は自社製品の開発に集中したため、賞与はなし。
最高年収の制限を撤廃した
最高年収に制限をかけなくても、やっていける人だけ雇えばいい。
会社負担で、役員と正社員全員が入ってる
業務中、業務外 24 時間いつでも保証の対象になる。
会社負担で、役員と正社員全員が入ってる
退職金より、基本的にすぐに還元した方が良いというスタンスだったが、 社員にとってデメリットがほとんど無いため、導入。
年一回会社負担で役員を含む全社員が受けている。
年齢関係なくバリウム or 胃カメラ
年 1 回、追加オプションの検診を最大 20000 円まで会社負担で指定可能。
時雨堂はできたばかりの会社ということもあって規則は少ない。 少しずつ「困ったとき」のために規則は作り始めている。
以下は時雨堂の規則例だ。
- 裁量労働では無く 10:00 ~ 17:00 の定時労働制
- 昼休みは 13:00 ~ 14:00 の 1 時間
- 22:00 時以降の残業は振休が出る
- 有給は正社員初年度から 20 日間付与する
- 1 時間までの遅刻は減給対象としない (11:00 まで)
- 1 時間までの早退は減給対象としない (16:00 から)
遅刻/早退に関しては 11:00 - 16:00 が常態化することを想定しているわけではなく、何か理由がある場合を想定している。
ルールを厳しくするのは簡単だ。だからこそできるだけゆるくルールを作っていきたい。 上にも書いたが、ルールは「判断に困ったとき確認するため」にあると考えている。
社員から会社を守るルールはできる限り作りたくない。
今後もできる限り規則を作らない方針だ。
固定時間労働 1 日 6 時間 を読んでもらうのが早い
集中して作業をして少し早い時間に帰宅できる会社にしたいと考えていた。
そこで、 3 期 (2014-10 ~) から 6 時間労働制を導入した。
給与などは一切変更せず、就業時間を 10:00 ~ 18:00 から 10:00 ~ 17:00 に変更する。
それに伴い早退も 16:00 から可能とした。
- 1 時間までの早退は減給対象としない (16:00 から)
集中して作業した後に何かを作業することは難しくそれであれば、後は帰るだけだ。
もちろん、会社に残って勉強したり、雑談したりするのは構わない。
社内で共有されているルールを引っ張ってきた。
- 子どもが誕生してから1歳になるまでの間、育児のためにオフィスに出社することが難しい場合は、在宅などの遠隔勤務でも可とします。(基本は通常どおり出社をお願いします。)
- 子どもが誕生してから1歳になるまでの間、育児のために通常時間での勤務が難しい場合は、10-17時に相応する6時間の労働時間を確保さえすれば、勤務の開始時間や終了時間を問わないこととします。
- ただし、オフィスに出社する場合、極端に夜遅い退社や極端に朝早い出社などは不可とし、常識の範囲で調整をお願いします。
- 遠隔勤務とする場合、あるいは勤務時間をずらす場合は、Slack で事前に(当日の朝で可)社内のメンバーへ共有してください。総務宛てに都度メールをする必要はありません。
- 子どもの通院や突発的な看病などで休みを取る必要がある場合は、通常通り有給休暇を申請してください。
- 万一有給休暇を使いきった場合、育児/介護休業法で定める「子の看護休暇」を1年あたり5日間(※小学校就学前の子ども一人につき)付与します。ただし、この場合は無給です。(欠勤などペナルティの対象にはなりません。)また、「子の看護休暇」の翌年への持ち越しはできません。
- 上記のルールについて、子どもが1歳になった以降も適用が必要な場合は、話し合いの上、1歳になった日の翌日から最長で半年間の延長が認められるものとします。
- 上記のルール適用期間も、給与や賞与について他の従業員と差異はありません。
上司の判断などを待つのは無駄
台風や大雪で出社または帰宅がが困難になりそうだと 個々で 判断し、出社を遅らせたり、帰宅を早める。または自宅勤務、当日に有給にして良い。
その場合はチャットツールにて連絡するだけで良い。
希望する 正社員には会社のクレジットカードを渡している。会社名義で社員の名前が入ったカードだ。
ただしクレジットカードを使用する場合は場合、事後でも事前でもいいが報告は必須としている。
時雨堂を支える環境 を読んで貰うのが早い
とにかく、居心地のいい環境を考えてみている。といってもあまりこだわったポイントは少ない。
- 液晶はとにかく大きいモノを
- 作業机はとにかく大きめなモノを
- PC はできるだけ高性能なモノを
- 椅子は 30 万円程度までで、座りやすいモノを。
おそらく時雨堂で一番の強みは時雨食堂と呼ばれる週 1 回の自社のキッチンで作られる食事だろう。
これは健康を考えて総務または社員が作っている。参加は強制では無い。
食堂はできる限り続けていきたい。常に働きやすい環境を検討し続けていく必要がある。
会社で買った本を 自分のもの にする制度。年間 2 万円まで。
電子書籍は法人で買えない場合が多いので基本的にはそのため。
また、仕事で使ったけどプライベートでもという場合もあるだろうとのことから。
健康重視で作って貰っている。社内で共有されている食堂のルールを引っ張ってきた。
- 「元気に働くためには食が大切」という考えのもと、なるべく健康に良いメニューとし、味や豪華さは二の次とします。
- 食堂は役員・社員どうしのコミュニケーションを生み、ランチミーティングの場にもなるため、全額「会議費」として会社の経費で運営します。
- 時雨食堂で食べることは任意です。決して強制ではありません。メニューや健康状態に合わせて決めてください。
時雨堂を支える食堂 メニューはこちらから
フルリモートのため実施していない
週 1 日は社内でデリバリーを取ってご飯を食べる事にしている。
- 社内で食べる
- 費用は会社が負担
- 一人 1500 円以内
- 拒否権あり
- 出社している社員の半分以上が参加する事が条件
時雨食堂で会社でご飯を食べると、その後色々話をする時間がとれるのは良いなと思っていたのでやってみている。
2 期の終わり頃にホームベーカリーを会社で購入した。
IHホームベーカリー(やきたて)|GX GRANDX|タイガー魔法瓶
総務の判断で焼いて貰っている。
最近活躍してない
3 期の終わり頃にヌードルメーカーを会社で購入した。
ヌードルメーカー Noodle Maker 自動製麺機 | フィリップスキッチン
最近活躍してない
3 期の終わり頃に電気たこ焼器を会社で購入した。
時雨堂を支える技術 を読んで貰うのが早い
PC は基本モバイル PCを支給している。外部ディスプレイ + モバイル PC で統一している。ただしデスクトップも希望があれば支給する。
開発に必要なサービスは積極的に利用するようにしている。
- GitHub
- Copilot
- Slack
- Google Workspace
- Vultr
- Linode
- Cloudflare
- Kibela
- 1Password Pro
- DeepL Pro
- Gyazo Pro
- Dropbox
- Sign
- Sentry
上記のサービスを使っている。何か新しいサービスができたら積極的に触ることにしている。 今あるサービス(ツール)に満足せず色々なモノを触って意見を言い合うのはとても良い事からだ。
また、自動化は積極的に取り入れるようにしている。 少ない人数で開発している場合自動化をする事はとても大きなメリットだからである。
時雨堂ではお手伝いするときはお手伝い先に GitHub を使って頂く事を前提とさせて頂いている。
効率の良い開発を知って貰う事でお互いスムーズに開発できるようになるし、 また一緒に仕事したとき、理解も早いからだ。
評価制度の無い評価制度 を読んで貰うのが早い
時雨堂に評価制度は無い、正社員の給与は全員同じ。
総務も技術も全員同じ給与。面談も無ければ、査定も無い。 賞与評価も無い。年毎の利益で会社が必要な分を残して、あとは人数で割る。
例えば社員が 2 人で、会社に必要な分を引いて残った利益が 100 万だったら一人 50 万円。それだけ。 もちろん、これは方針が正社員 10 名以下のみという少ない人数だからできていると思っている。
ただ、この評価システムは個人的には気に入っている。 正直自分では皆の評価が難しい。細かく仕事を見ているわけでもないし、何を頑張ったかを評価する時間がもったいない。
であれば、社員は最大限に努力すると判断してしまうのが早い。 自分が頑張った分は直接的に賞与に反映されるような仕組みを取りたいと思っていた。
ただ、この評価は不満もいくつか生む、例えば「自分は他の人より頑張った」と思った場合だ。 この場合でも残念ながら今の評価制度だと「平等」が適応されるため、残念ながら報われない。
その場合は、転職をオススメする事にしようと考えている。実力主義の会社は沢山ある。 さらに、時雨堂よりも給与が高い会社は沢山ある。 そちらの方が良い結果が出せる場合は時雨堂を卒業し、次のステップに進むのが良いと考えている。
時雨堂は皆で稼いで皆で山分けシステムだ。 裏方だろうがなんだろうが関係ない。皆が頑張ったのだ。
時雨堂には役職が存在しない。正社員は全員同一で管理職とかは無い。
人数が少なければ問題ないと考えている。今のところ困ったことは無い。
時雨堂を支える採用 を読んで貰うのが早い
基本的には「仕事であれば何でもやる」という人材が集まったと思っている。
技術的な好き嫌いはあると思うが、それはそれと割り切ってくれる人材が集まった。
もちろん、この 何でもやる は残念な仕事を取らないということが前提となっている。
あと食べ物の好き嫌いが基本的に無い事が条件となる。
また、技術者であれば「できる限り技術者として稼いでいきたい人」を採用している。
小さなチームにマネージャーは基本不要だと考えているからだ。 ただし、技術者でもリソース管理や情報共有などのスキルはとても重要視している。
コードが書けるだけではだめだ。チームを作ったとき周りを生かせる人材である事はとても大事だ。
教育という仕組みはない。情報共有はあるが、教育という時間を明示的に取ることはない。
ただ、自社製品関連の作業に対しては締切を設けず時間をかけて取り組めるようにはしている。
一応三本の柱がある。
- 継続的開発
- 積極的更新
- 継続的試験
技術系の社員には継続的に何かを開発していくという経験をさせていきたい。 継続的に開発していくというのはとても難しい、技術的にも難しいがビジネス的にも難しい。
これらの難しいことを継続的にやっていけば、人はいつまででも伸びると考えている。
2016-06 ~ 2017-05
週 1 での英語教室を講師を呼んで社内でお願いしていた。内容は話し合いながらゆっくりすすめている。参加は希望者のみ。
それぞれのペースに合わせた内容を合計 1 時間でお願いしていました。今は 1 年間やってお休み中。
仕事は主にミドルウェアの開発とそれに付随する開発が主となる。それ以外の仕事は基本的には受けることはない。
世の中の隙間を狙って必要とされる製品を作っていきたい。
それが世の中に必要とされているミドルウェアだったりするのが目標だ。
4 期
会社に現金がある程度たまったので、4 期目からは受託開発を減らし自社製品の開発に投資することにした。 そのため、売り上げが大幅に減るため賞与は出せないだろうし、仕事は激務になる。負担は今までよりずっと増える。
ありがたいことに、技術相談の仕事をいくつか頂いているので、給与分は稼げそうだが、 自社製品が売れない限り賞与出せないということだ。
ちなみに、完全に受託をやめているわけではないので、気軽に相談を頂ければ。
もともと時雨堂は自社製品で食べていくのが目的であった。 そのため外からのお仕事をしつつ、お金を会社に貯め込むというのを目的に受託開発を中心に仕事を受けていた。
そろそろお金も貯まったので、方針を転換することにした。
どれだけ続けられるかわからないが、続けられる間はこの方針で続けていくつもりである。
5 期
4 期に自社製品の開発に集中したおかげで、自社製品の軸となる WebRTC SFU Sora が形となった。
この製品を軸に、 WebRTC 関連の仕事を中心に稼いでいく。
5 期で自社製品の売上だけで十分社員の給与をまかなえる様になったため、その辺をまとめた。
過去最高の自社製品売上を達成。
6 期
5 期にある程度自社製品が売り上がった事もあり、サブスクリプションモデルを採用しているため、一定の売上が見込めるようになった。これは会社を経営するにあたりとても大きい。
自社製品の他社との差別化を進めていく。
2018 年 3 月は月の売上が 3000 万円を超えた。
過去最高の自社製品売上を達成。
7 期
お手伝いは自社製品に関連するものを中心に受ける、自社製品の開発と販売に注力していく。
2019 年 6 月は月の売上が 3000 万円を超えた。
過去最高の自社製品売上を達成。
8 期
お手伝いは理解のある顧客のみを受ける、自社製品の開発や販売に注力する。
2019 年 12 月は月の売上が 3000 万円を超えた。
過去最高の自社製品売上を達成。
9 期
お手伝いは既存の顧客のみを受ける。主力製品を買いたくなる関連製品の開発に力を入れる。
2021 年 2 月は月の売上が 4000 万円を超えた。
10 期
2022 年 4 月は月の売上が 4000 万円を超えた。
お手伝いは既存の顧客または知り合いからのみを受ける。主力製品を気軽に使えるサービス化に力を入れる。
11 期
2023 年 4 月は月の売上が 4000 万円を超えた。
お手伝いは既存の顧客または知り合いからのみを受ける。 自社製品のパッケージ版とクラウド版にリソースをつぎ込む。
12 期
お手伝いは既存の顧客または知り合いからのみを受ける。 今まで手を付けられていない分野で主力製品を使いたくなる関連製品を作る。
創業者で経営者なのだが、経営関連の事務作業は全て総務に任せている。
自分の仕事は 決める事 と 利益を出す事 と やりたいことを伝え続ける事 の三つだけだ。
あとは、他の技術者と同じ立ち位置で仕事をしている。
雑務が好きなのであれば自分でやった方が経営している感じがあって良いかも知れないが、 できる限り全ての雑務は専門の方に任せてしまった方が良い。
そうすることで現場に居続ける経営者でいることができる。
総務にお願いしているのは「出費を減らす事」と「職場を良い環境にする事」だけだ。 分担をする以上は信頼が全てだと思っている。
何でもかんでも自分でやらず、任せられるところは任せていく。
また、労務や税理、法務は全てアウトソーシングしている。 自分でやるよりは専門家に任せた方が良いとの判断からだ。
実際起業自体も全て任せた、稼いで良い会社を作っていくことだけに集中できると判断したからだ。
起業した頃は技術者の中でも分担制を考えていたが、技術者はフロントからインフラまで全てを担当する方針になった。
毎月「YYYY 年 MM 月の時雨堂の動き」というのを書いて、次の月がどうなるかを共有している。 売上、売上目標、外注に支払っている金額、全社員の期待している動きなどが書かれている。
見れる時に情報が見れるのが必要であって、これを見る必要ない状態を作るのが理想。
時雨堂は人数は最大でも従業員は 5 名と決めている。 それ以上になると全体を一人でみわたせなくなってしまうからだ。
もし、人数が増やしたい場合と感じたときは 会社をもう一つ作る という考えにしている。 時雨堂という文化を守るには 5 名が限界だと考えている。
そして時雨堂の文化が絶対だとも思っていない。働き方や環境には色々なパターンがあっても良いと思っている。
様々な文化の会社が協力し合いながら仕事をしていく環境というのはとても良い環境ではないだろうか。
時雨堂は営業を採用しない。時雨堂が作る製品は技術者が対象で、技術者に売り込みたい製品だからだ。
技術が分からない営業が売りに行っても売れる製品を作る予定はない。
開発に関わっている技術者 が説明する説得力はとても効果がある。
時雨堂の評価制度は一般的な営業を生かす評価制度では無い。 むしろどんなに売り上げを上げても売り上げは分割されてしまうからだ。
時雨堂の営業活動はブログや Gist による技術資料、自社イベントのみで行う。
他のイベントへの参加や展示会などへの出展は行わない。
自社製品のサポートはサポート専任などを雇わずに製品の開発者が行う。
開発者が利用する製品を開発しているため、基本的にはサポートに問い合わせてくるのは開発者になるためだ。
あまり経営といった事をやっていないのだが、心がけていることがいくつかある。
- 無借金経営
- 社員の損になる事をしない
- 次に繋がる仕事をする
- 病的なまでの透明性
- 社員を大人として扱う
とにかくこの業界は借金する必要が無いのが良いところだ。PC とインターネットだけあれば用が足りる。 かかる費用は人件費だけ。つまり固定費だけで変動費はほとんど無い。 月額決まった売り上げを上げればなんとかなると考えている。
会社の利益になるからと社員の利益を無視することだけはやらないようにしている。 一人でできない事をやるために会社というカタチをとったにもかかわらず、できる限り社員に損をさせることがあってはならない。
やっつけ仕事をせず、一つ一つ丁寧な仕事を心がけたいと考えている。 一回だけの付き合いになるのかもしれないが、 だからといって手を抜くのでは無く、「時雨堂品質」というイメージを持って貰えるようにしたい。 次も是非、時雨堂で、と言って貰える仕事をしていきたい。
評価が無いため人事関連で隠す情報が無くなる。そのためほぼ全ての情報を共有することができる。 会社への不満は「なにかよくわからない決定がある」事が原因になることが多いと考えている。 お金が無ければお金が無いことを伝え、お金があればお金がある事を伝えれば良い。 チャットベースで売り上げが共有される。
社員に対しては「大人として扱う」ことにしている。細かいことに口出しはせず任せる。 大枠だけ決めたらあとは社員に任せ、あとはなにか問題が起きたときは自分が責任をとるという方針。
時雨堂を支えるマネージメント を読んでもらうのが良い
時雨堂ではできるかぎりマネージメントを行わないという方向に倒している。長期的なビジョンは雑談で、短期的な方針は資料に提供する。会社が向かうべき方針を共有することでそれに向かって社員は進んでくれるという考えからだ。
社員全員が具体的な指示なしで、個々で判断した今やるべきことをやっていくという自立型の組織を目指している。
時雨堂自社製品コトハジメ を読んでもらうのが良い
時雨堂は自社製品を開発し販売することで利益を生む会社を目指している。
メインはパッケージ製品。お客様にパッケージを提供し、お客様の環境で使って頂く。運用もお客様が行う。
時雨堂はパッケージ製品の品質、性能、機能の向上を継続的に行う。
すべてのパッケージはライセンス形式は年間使用料という形にしている。次の年も使いたい場合は使用料を払って利用してもらう方式。
サポートやアップデートを含んでの年間使用料としている。
自社製品をサービス化して無料で提供する。いくつかの制限をもうけることでパッケージとの差別化をはかる。 オープンソースの製品の場合は付加価値を付けてサービス化するということもある。
自社パッケージを提供する場合フィードバックが直接得られにくいため、 自社で運用しノウハウを得つつ、フィードバックも直接得たいとの考えからだ。
赤字で問題ない。パッケージ販売によってサーバ代金がペイできたら十分というスタンス。
また無料サービスは広報の観点からもとても有用的だと考えている。 気軽に自社の製品を試して貰う事ができる環境があるのは、触ってもらえるハードルを下げることができる。
製品のライブラリやツール、自社製品の SDK 、または自社製品自体をオープンソースで公開する事がある。 これはいろいろな方面で自社製品に対しての距離を縮めるために公開している。
やはりクローズドソースのパッケージ製品はなんだかんだで試しにくいのが現状だ。 ただオープンソースの場合は、中身も見えることから、どんなことをやっているかがわかるからだ。
時雨堂を支える製品戦略 を読んでもらうのが良い。
基本的には作りたい製品を作って、売って儲けるという戦略だが、儲けるために製品を作るという方針ではない。
製品を作るきっかけとしては 自分たちが作りたい製品を作れば誰かが欲しいと言ってくれるだろう という甘い考えの戦略である。
自分が作りたくない製品を作るというのはとてもモチベーションが下がるのでやりたくない。
歓迎会や忘年会など、よく業務後に行われる飲み会関連を会社として一切行わない。
もし行う場合は時雨食堂としてランチの時間を少し長めにとって行うことにする。
飲み会は行きたいメンバーで行けば良い。 もし会社が行う場合は「業務時間中」に行い「会社負担」であるべきだと考えている。
例えば年末最終日に行った納会はその日は午後はお休みにして、ランチ時に納会を行った。
フルリモートのため実施していない
- 12 月最終営業日は 13:00 にて業務を終了し、その後は 希望者 のみで納会ランチ
- もちろん拒否権あり、強制は一切しない
- リモートが増えてからは実施していない
- 創業日の 3 月 8 日には 13:00 からちょっといいところの食事処を予約して社員と関係者でランチ
- もちろん拒否権あり、強制は一切しない
- 期初日の 10 月 1 日 には 13:00 からちょっといいところの食事処を予約して社員と関係者でランチ
- もちろん拒否権あり、強制は一切しない
- 徳島県へ一泊二日で社員旅行へ。元々自分が一人で地方の IT 特区を視察という形で行く予定だった
- もちろん拒否権あり、強制は一切しない
- 役員と正社員の全員が参加した
- 石川県へ一泊二日で社員旅行へ。加賀屋に泊まってみたいという自分のワガママから
- もちろん拒否権あり、強制は一切しない
- 役員一名が体調不良により不参加
オープンソースに助けられて会社がまわっているにもかかわらず、自社のことで手一杯で貢献する時間が取れていない。 そこで、よく使っているオープンソースのスポンサーや、共感できる非営利団体のスポンサーをしてみることにした。
期間: | 2017-08 ~ 2024-07 |
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URL: | https://letsencrypt.org/ |
費用: | 年 1 万ドル |
2023 年も更新済み
無料で、自動で、オープンな証明書認証局な Let's Encrypt の公式スポンサーになっている。
Let's Encrypt は出た当初から愛用させていただいてるし、 時雨堂の主要製品が利用してる WebRTC で利用する getUserMedia は HTTPS が必須なブラウザもある。 さらに Let's Encrypt の考えに共感していることを公共の場で伝えられるというのはとても良い。
アナウンスしてもらった
- https://twitter.com/letsencrypt/status/1554135624365625344
- https://twitter.com/letsencrypt/status/1552688338213150721
- https://twitter.com/letsencrypt/status/1552994096272269317
- https://twitter.com/letsencrypt/status/1512046280570253318
- https://twitter.com/letsencrypt/status/892573113216585728
- https://twitter.com/letsencrypt/status/1034684824525721600
- https://twitter.com/letsencrypt/status/1166911543172317186
- https://twitter.com/letsencrypt/status/1424945350096338944
- https://x.com/letsencrypt/status/1689429609698234369?s=20
ロゴが出ている
https://letsencrypt.org/sponsors/
期間: | 2021-08 ~ 2024-07 |
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URL: | https://www.openssl.org/ |
費用: | 年 2 万ドル |
2023 年も更新済み
OpenSSL のゴールドスポンサーになっている。
Erlang VM の Crypto モジュールは OpenSSL のラッパーなので、 実質 OpenSSL をがっつり使った製品を作って販売しているので、スポンサーになった。
単独になった。
https://www.openssl.org/support/acks.html
期間: | 2023-10 ~ 2023-09 |
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URL: | https://cpprefjp.github.io/ |
費用: | 年 800 ドル |
cpprefjp のゴールドスポンサーになっている。
C++ を利用する事が多く、C++日本語リファレンスにお世話になっているため、スポンサーになった。
期間: | 2022-09 ~ 2023-08 |
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URL: | https://ziglang.org/ |
費用: | 年 1.2 万ドル |
Zig Foundation の企業スポンサーになっていた。
Erlang VM の遅さをカバーするためにプロトコル処理は Zig で実現する方向で進めている。
ロゴが出ている。
期間: | 2021-08 ~ 2022-07 |
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URL: | https://erlef.org/ |
費用: | 年 5 千ドル |
Erlang VM を使った製品を作っている事もあり、スポンサーになっていた。
利用している OSS の開発会社や開発者のスポンサーになっている。
詳細は以下から。 https://github.com/orgs/shiguredo/sponsoring
2018 年 8 月に企業版のふるさと納税という形で 100 万円を寄付
2019 年 9 月に基礎医学研究への支援のため 199 万円を寄付
2019 年 12 月に研究支援のため 60 万円を寄付
2020 年 9 月に基礎医学研究への支援のため 199 万円を寄付
2020 年 9 月に企業版のふるさと納税という形で 100 万円を寄付
2021 年 9 月に基礎医学研究への支援のため 199 万円を寄付
2021 年 9 月に企業版のふるさと納税という形で 100 万円を寄付
2022 年 9 月に基礎医学研究への支援のため 199 万円を寄付
2022 年 9 月に企業版のふるさと納税という形で 50 万円を寄付
2022 年 9 月に企業版のふるさと納税という形で 50 万円を寄付
2023 年 9 月に基礎医学研究への支援のため 199 万円を寄付
- 2023 年 9 月に 京都大学基金 京都大学修学支援基金に 200 万円を寄附
- 2023 年 9 月に 京都大学基金 ウクライナ危機支援基金 に100 万円を寄附
2023 年 9 月に 東京大学基金 修学支援事業基金 に 200 万円を寄附
URL: | https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/seisaku/tihousousei-ouenzeisei.html |
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2023 年 9 月に企業版のふるさと納税という形で 子どもの貧困対策推進事業(みやぎ・子どもの笑顔プロジェクト) に 100 万円を寄付
Google で 時雨堂 と打つと候補が どら焼き な事で有名な時雨堂のどら焼き。
これは、もともとは自分が Amazon ウィッシュリストを公開した際に、 贈り物を頂いた方にお礼として送ると総務が言って始まったのがきっかけである。
そこから一緒に仕事させて頂いた方や、お世話になっていることに送っている。
とても好評のようで、「どら焼き食べたい」という要望を貰ったりしている。
ちなみに私は最初まったく興味が無くて、かなり反応が良かったことに驚いている。
今後も、お世話になった方などにお送りしていきたい。
時雨堂は広報活動を積極的に行う。
手段はウェブサイトの更新だったり、Gist などでの技術情報の公開などだ。
プレスリリースはコストがかかるわりに、メリットが少ないことがわかったため、行わない。
時雨堂にとっての広報活動は営業活動そのものである。時雨堂は小さな会社なので誰も知らない。 そのため、少しでも多くの人に知って貰う必要があるからだ。
一切行っていない。
現在は 2020 年 3 月から従業員全員は暫定的にフルリモートワークとしている
リモートワークは採用しない、出社を前提とする。
開発チームにも、緊密に連携するために必要な大事な合図のようなものがある。なかでも最も重要なのは、信頼し、信頼されることである。
距離を隔てて信頼し、信頼されることは難しい。ニュアンス、自信、ある種の皮肉、含意、確信の強さ、絶望感や無力感、エネルギーのレベル、いつわりをくみ取るのも難しい。
このようなわずかな意味の違いがわからなければ、コミュニケーションはうまくいかない。概要は伝わるが、そこから導き出す結論は確定的なものとは言えないはずだ。こんな穴があるまま、プロジェクトを進められるのか。不可能ではないが、チームが同じ場所にいる場合ほどうまくはいかない。
現在のマネジャーは、同じ場所で働く少数精鋭チームがいいと言うはずだ。それは30年前、40年前、50年前から変わらぬ真理であり、今でも同じである。それがソフトウエアを開発する最適な方法なのだ。
時雨堂は ラムダノート株式会社 に出資している。 出資している理由は自分(@voluntas)が若い頃、 ラムダノートの代表取締役である 鹿野さん が企画/編集を担当した技術書で多くのことを学ばせてもらったためだ。
技術書は大儲けできるビジネスではない。ただ必要不可欠なものと考えている。 そんな中、技術書専門の出版社を立ち上げた鹿野さんを少しでもお手伝いできればとの考えから出資させてもらった。
物言わぬ株主をやっている。株主優待特典としてラムダノートから出版された書籍が手に入る。
- 時雨堂コトハジメ
- 時雨堂自社製品コトハジメ
- 時雨堂を支える技術
- 時雨堂を支える環境
- 時雨堂を支える採用
- 時雨堂を支える食堂
- 時雨堂を支える製品戦略
- 時雨堂を支える開発方針
- 時雨堂を支えるリモートワーク
- 時雨堂を支えるマネージメント
- 時雨堂を支えるビジネスモデル
- 評価制度の無い評価制度
- 固定時間労働 1 日 6 時間
商用の WebRTC SFU です。価格は同時 100 接続で年間のライセンス費用 84 万円です。 3 ヶ月もあります。製品のサポート料金込みです。
複数人数での会議や、 数百人への配信、一対一の面談など様々な用途に利用可能です。
パッケージで提供しますので、自社で運用が可能です。 AWS だろうが GCP だろうが、オンプレだろうがなんでも好きな環境で動かすことができます。
サーバさえあれば起動までは 10 分です。デモ機能が内蔵しているので動かすまで 15 分です。
- 大変多くのお客様に採用いただいております
- とにかく 落ちないこと を目的に作っています
- とにかく 繋がること を目的に作っています
- とにかく 手間がかからないこと を目的に作っています
- 最新ブラウザのアップデートに追従しています
- シグナリングサーバ内蔵ですので別途立てる必要はありません
- TURN サーバ内蔵ですので別途立てる必要ありません
- 日本語によるサポート対応しています
- フルスクラッチ自前実装なのですべて把握しています
- 1:1 の双方向に対応しています
- 1:1000 の片方向に対応しています
- 3:1000 といった配信者が複数の片方向にも対応しています
- スポットライトという機能を利用することで 200 人以上の会議に対応しています
- 録画機能があります
- Chrome / Firefox / Edge / Safari といった主要ブラウザ全てに対応しています
- Apache 2.0 ライセンスで JavaScript と iOS と Android と Unity など多くのクライアント SDK を公開しています
- Apache 2.0 ライセンスで Sora 向けの負荷試験ツールを公開しています
- Apache 2.0 ライセンスで Sora 向けの映像合成ツールを公開しています
- 既存システムとの連携を重視しており、Web フック機能を利用して簡単に連携が可能です
- 認証や、クライアントの接続切断などもすべて HTTP での通知を既存のシステムに送ることができます
興味のある方はお気軽に sora at shiguredo.jp までお問い合わせください。
紹介や検討資料も公開しております。
URL: | https://sora-cloud.shiguredo.jp/ |
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利用時間や転送量ではなく、同時接続数と帯域で課金する Sora のクラウド版です。
Sora を構築、運用する必要がなく利用できます。